ペットショップで売れ残ったインコはどうなるのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。もしかしてかわいそうなことになっているのでは!?…と暗い気分になったことがある人もいるかもしれません。
この記事で紹介するのは、ペットショップの売れ残りインコはどうなるのか?約10年間ペットショップでインコの販売に携わってきた方の体験談を通して、以下のことがわかります。
– 中雛や成鳥にも高い需要があること
– 売れ残ったインコの5つの行方
– 病気になったインコへの対応
– インコが殺処分されることはほぼないこと
実際のところ、インコは雛だけでなく成長した個体にも需要があり、殺処分されるケースはほとんどありません。値下げ販売や他店舗への移動、里親探しなど、様々な方法で新しい家族との出会いを待っています。
ペットショップでのインコ販売の裏側や、売れ残りインコの実態について、詳しく知りたい方はぜひこの記事をお読みください。インコを家族に迎えるか迷っている方にとっても、貴重な情報となるはずです。
ペットショップの売れ残りインコは見向きもされないのか!?
…と気になる方は多いのではないでしょうか。
ペットショップで約10年間インコの販売を行ってき私が、その裏側を紹介します。
ペットショップで売れ残ったインコは「殺処分される」「動物園の餌にされる」…等の噂がされているのを、ネット上で目にすることがあります。
ですが、安心してください。売れ残ったインコは殺処分されません。
インコには「売れ残り」の概念なし!中雛・成鳥こそ需要がある
そもそもインコが売れ残ることがほとんどありません。
犬・猫の場合は生後2〜3ヶ月を過ぎて大きくなってくると飼い主が見つかりづらいですが、インコの場合は雛を卒業した中雛や成鳥こそ需要があります。
挿し餌をする時間がない、 おしゃべりを覚えさせたい、 繁殖させたい …これらの理由や需要があるので、鳥は中雛・成鳥になってからも売れていきます。
だからペットショップの鳥にはそもそも「売れ残った」「どうしよう」などの概念がありません。
家を留守にしがちな飼い主の場合、インコの雛に1日4回もの挿し餌をするのは難しいことから
そんなお客さまが多いのです。
性別が分かりやすい生後半年以降のインコを望むお客さんは多い
繁殖が目的なので雌が欲しい、お喋りさせたいから雄がいい…などでは、性別の判断がつきやすい生後半年以降のインコを希望されます。
私のペットショップではインコ雛は5羽ずつ入荷していましたが、生後半年を迎える前に新しいお迎え先が見つかることがほとんどでした。
中雛・成鳥の需要も高い一方で「自分で挿し餌をして育てたい」そんなお客さまが多いからです。
こういう事情からインコは売れ残ることはほとんどなく、成鳥でもお迎え先が見つかるので、殺処分されることはまずありません。
ペットショップで病気になってしまったインコはどうなる?
ペットショップには多くのインコがいますが、中には体調が悪くなったり、病気になってしまうインコもいます。
インコが病気になってしまった場合
1 お店と提携している動物病院に連れていき治療をしてもらいます。
2 薬をもらえばスタッフ全員で情報を共有して対応に当たります。
3 インコが元気になったら再度病院に連れていきます。
4 健康診断を受けた後に獣医師の販売許可がおりたら店頭に並ぶ…という流れになります。
体調不良歴のあるインコを販売するときは、 過去にどんな状態になってどんな薬を処方していたか…をお客さまにお伝えし、納得していただいた上での契約となります。
ペットショップで売れ残ったインコの行く末は?
インコが売れ残ることはほとんどないと書きましたが、中にはなかなかお迎え先が決まらないインコもいました。
そういうインコの行方は次の5通りのどれかになります。
値下げして販売される
ある程度成長しているインコは次の雛が入荷したタイミングで、定価よりも安く販売されることがあります。
私の経験上では 大抵のインコがこのタイミングで契約が決まっていました。
スタッフがお迎えする
先に誤解が生じないように書いておきますが「売れ残ったインコをスタッフが引き取らなければならない」…との企業ルールは存在しません。
怪我をしていたり食が細かったり体調を崩したことで売れ残ったインコは一時的に売り場を離れ、バックルームで隔離されてお世話されています。
スタッフに遊んでもらう機会が増えるので、休憩中も誰かしらの手や肩に乗っている状態ですから、たいていのインコは人間大好きになっていきます。
そんなふうに遊んでいるとインコに情が湧いてきてしまい、スタッフがそのままお迎えする…という流れはよくあるパターンです。
実は私が今まで飼育してきたインコもバックルーム出身でした。
店の看板インコになる
これは稀なケースなのですが、売れ残ったインコが店の看板インコとして活躍するケースがあります。
販売したあとに鳥アレルギーが判明して鳥を飼うことができなくなったお客さまの元からペットショップに出戻ったインコが過去にいました。
店にいる頃から人懐っこくてアイドル的存在だったため、その後はペットショップの店頭で看板インコとして活躍してくれました。
他店に移動する
ペットショップがチェーン店の場合、インコが他店に移動されることもあります。
私が勤務していた店舗では途中で生体販売が終了しましたが、このとき売れ残っていたインコたちは、他の店に移動して販売されました。
里親を探す
どうしても家族が見つからないインコは、里親になってくれる飼い主を探します。
ただし里親に出すときには、「タダでもらえるなら」との軽い気持ちで飼う人に譲らない見極めが必要です。
最期までインコをお世話してくれるお客さまなのか?をスタッフ同士で念入りに確認したうえで、里親になってくれるお客さまを決めていました。
インコがペットショップで売れ残ってしまっても殺処分されることはなく、そもそも売れ残るインコがほとんどいないのが現状ですので、もし売れ残っていたインコが姿を消した場合は、以下のケースが考えられます。
これらは私が勤務していたペットショップでの話ですので他店ではまた状況は違うかもしれませんが、売れ残ったインコがどうなるのか気になっていた方には安心していただける話だったと思います。
ペットショップ店員の本音!こんなお客にはインコを売りたくない
ペットショップにはインコを購入するために多くのお客さんが来店されますが、中には「この人にはインコを売りたくないな」と感じる人がいます。
第1位:インコ飼育に必要なものを買ってくれないお客さん
インコ飼育には必要な用品を揃えるのにお金がかかりますが
…と思っているお客さんも多く、いざ飼うインコが決まって飼育用品のご案内を始めると
…と断られることもよくあります。
特にインコのヒナをお迎えする場合は保温ヒーターは必須アイテムですが、値段が高いために予算の都合で断られてしまうことが多くあります。
…との不安もよぎりますが、なすすべはありません。
第2位:インコを誕生日プレゼントにするお客さん
意外と多いのが、友達へのプレゼントとしてインコを買っていくお客さんです。
私はペットショップで働くまで「動物をプレゼントにする」発想がありませんでした。
練習にちょうどいい動物なんていませんよね(-ω-;)練習になるのは飼育書をよく読んでシュミレーションしたり他の方のペットに触れさせていただいたりでしょうか 飼った事が無い方は知識が無いだけなので悪気は無いのでしょうね…
— まったくモー助 (@mmousuke) December 11, 2016
子どもへのプレゼントとして、自分も一緒にお世話をする前提で親御さんが買うのならわかるのですが
…というお客さんには売りたくないです。
インコの売買契約をするときは飼育方法や注意点をお伝えしたうえで、なにか不安に思う点はないか?を尋ね、安心して飼育が始められるように説明します。
しかしインコをプレゼントとして買いに来るお客さんは、新しい飼い主(友達)一緒に来店していません。とても不安に感じます。
初めまして。今まで何度か、飼いきれなくて放棄されてた子を引き取りました。文鳥やセキセイだと生体価格が安いから、贈り先の都合を聞かないままサプライズプレゼントに買う人もいるんですよね。これ冊子にして、鳥のいるペットショップで配布してほしいくらいです。
— 綾るりのはね (@ayatakainko1028) December 8, 2016
第3位:そもそもインコに無関心で意味不明なお客さん
ほとんどのお客さんはインコを飼うとき、色や見た目だけでなく、その子がどんな性格なのかなど、数羽いるインコたちを見比べて時間をかけて慎重に1羽を選びます。
しかし中にはこれから迎えるインコに無関心なお客さんもいます。
私が接客したた中でいちばん驚いたのは
…と声をかけられたことです。
正直なところ、こういうお客さんがインコに愛情を持ってお世話してくれるのか?疑問であり、不安です。
第4位:インコを飼うことを家族に反対されているお客さん
インコ飼育に反対している家族がいるのにインコを買いにくるお客さんも一定数います。
インコが餌を蒔き散らして周囲を汚したり、放鳥すれば糞をして部屋を汚すことも。
インコ飼育に反対する人が、これらの問題を受け入れてくれるのか?おそらくこれは喧嘩の火種となるでしょう。
第5位:人の話を聞かない・聞こうともしないお客さん
インコを飼うつもりで来店しているお客さんには、インコの飼い方を知らない人がほとんどです。
それでも契約時にしっかり説明を聞いて、飼育方法を理解してくれなら良いですが、話を聞いてくれない人も中にはいます。
それでもスタッフは最低限必要なことはお客さんに必ず伝えていますが、その後に問題が発生したときに
…とクレームをつけられて困ることもあります。
いずれのケースにしても、ご縁があってお迎えしたペットは必ず最期まで責任をもってお世話してほしいです。