マメルリハを飼い始めて半年で突然の別れを経験した飼い主さんの体験談をご紹介します。
愛鳥の急死という悲しい出来事から学んだ、インコの健康管理と飼育の極意7つを詳しく解説。マメルリハインコに限らず、小鳥の飼育を考えている方や現在飼育中の方必見の内容です。
2 糞の数と質をチェックする:1日25個以下の糞や白っぽい尿のみの糞が多い場合は要注意。餌を食べているかの指標になる。
3 ペレットとシードをバランスよく与える:記事内に登場するのはペレット6~7割、シード3~4割の混合(飼い主さんの裁量次第)シードを剥く行為自体がインコのストレス発散になる。
4 インコの好み嫌いを把握する:体調不良時でも食べられる大好物を見つけておく。緊急時の備えになる。
5 高栄養・高エネルギーの病中食を常備する:体調不良時にすぐに切り替えられる高栄養価の餌を用意しておく。
6 保温ケース(プラケース)を用意する:体調不良時の落下防止と保温のため、風を通さない平らな底のプラケースを準備する。
7 生きているシードを選ぶ:加熱処理されていない、発芽可能な「生きている」シードを選ぶ。栄養価が高く、食いつきも良い。
これらの極意を実践することで、インコの健康管理と緊急時の対応力が向上し、愛鳥との幸せな時間を長く過ごせる可能性が高まります。興味のある方は、ぜひ最後までお読みください。
【体験談】お迎えして半年のマメルリハが虹の橋を渡ってしまい…
マメルリハの飼い主の体験談 私が初めて飼ったインコは、マメルリハインコのブルー(オス)9月8日生まれのルイです。我が家にやって来たのが11月17日。翌年3月2日に、ルイはわずか生後6ヶ月で虹の橋を渡っていきました。
ルイのお迎え時はすでにペレットの一人餌に移行してました。特に食生活の不安はなく、体重も安定していました。11月末のお迎えなので、気を遣ったのは温度や湿度管理くらいでした。
お迎え後からひと月過ぎた頃、健康診断を受けに小鳥の病院を受診。そこではPBFDやオウム病などの病原体を検出できる各種遺伝子検査、糞便検査、そのう検査、血液検査、身体検査など、ひと通りのチェックを受けました。
遺伝子検査の結果は1週間後病院から「何の異常も見つからず、健康そのものです」との結果を聞いてひと安心。これからもずっとルイと長く一緒に過ごせることを信じて疑いませんでした。
ルイの異変は健康診断から3か月後の3月2日に起こりました。午後2時頃、ふとルイを見ると膨羽していることに気づきました。
体調が悪い!とひと目で気づいたのは、いつものリラックスしている時の膨らみ方とは全く違っていたからです。ルイは目を閉じて、明らかに辛そうな表情をして、呼吸も荒くなっていました。
すぐに部屋の温度を上げましたが、しばらくしてルイがフラフラとしはじめ、止まり木から落ちてしまいました。
私はすぐにプラケースにルイを移して、健康診断でお世話になった小鳥の病院に電話しました。「すぐに鳥を連れて来てください」と言ってもらえたので私は急いでタクシーで病院へ向かいました。
タクシーの中でずっと見守っていましたが、ルイはケースの中で倒れていて声をかけても反応がありませんでした。
動物病院に到着したのは午前診と午後診の間の時間帯。ありがたいことに私たちの到着後にすぐに診察室に通してもらえました。
しかし、ケースからルイを取り出して診てもらうと、先生はぽつりとひとこと「大変残念ですが…もう亡くなっています」
私は目の前で起こっている事態を信じられませんでした。
3か月前の健康診断ではなにも異常は見つからなかったので、解剖してみないと死因は分かりません。解剖してみてもはっきりとした死因が分かる確証はありませんが、どうしますか?
体にわざわざメスを入れるべき!?解剖してわかる確証もないのに?そう思った私は「解剖」の選択肢を却下。そのままきれいな状態でルイを家に連れて帰ってあげたい気持ちが強かったのです。
マメルリハの急死の原因を自分なりに考えてみた
マメルリハインコの急死にショックを受けた私は、ペットロスから立ち直るまで少し時間がかかりました。ようやく気持ちが落ち着けるようになった時、自分なりに突然死の原因を考えてみました。
実はルイは予定していたお迎え日までに「体重が増えない」という理由から、お迎え日が2回 変更(先延ばし)になっていました。
生後10週目になってやっとお迎えできたので、当時そのことに不安を感じた私は「こういうことはよくあるのですか?」とブリーダーに尋ねました。
よくあることですので安心してください。しっかりした体に育ってからお渡ししますので、もう少々お待ちいただけますか。
その時は「そういうものなのか」と特に心配もせず、マメルリハをお迎えする日を首を長くして待っていました。
マメルリハインコの2代目をお迎えした「現在」だからこそ分かることなのですが…今育てている2代目は、生まれて5週間と数日でお迎えすることができたのです。2羽とも同じブリーダーからお迎えしています。
ルイの死因が分かっていないので断定できませんが、自分の中ではそんな確信を持つに至りました。
2代目マメルリハをお迎えして実践しているインコ飼育 7つの極意
「ルイのようなことが二度と起こらないようにしたい!」そう強く念じて現在2代目マメルリハを飼育している私が、インコをお世話する上で気を付けている7つのことを紹介します。
インコの病院はひとつに決めない!セカンドオピニオンを決めておく
以前にお世話になっていた病院はとても親身になってしっかりと診てくださる信頼できる小鳥の病院でしたが、
そう考えた私は、自分が後悔しないよう、愛鳥が体調を崩した時には、念のため2つの小鳥の病院を受診しようと決めました。
現在通っている動物病院からはインコ飼育についての気づきをたくさん得られました。そういうこともあって、しみじみ、1か所にこだわらず、信頼できる病院(主治医)を複数決めておくことの大切さを実感したのです。
決めている動物病院があったとしても、場合によっては他の病院にも行ってみて、セカンドオピニオンを求めることは重要だと考えています。
インコの糞の数を数えて 本当に餌を食べているかをチェックする
鳥類は体調が悪いことを周囲に隠そうとします。この習性は、自然界で弱ったことを外部に悟られては真っ先に狙われる…そんな野生の本能から来ています。
ペットとして飼われているインコも同様に体調不良を隠します。飼い主の前で元気を装って、餌を食べているふりもします。
ルイの時にも、彼がきちんと餌を食べていると私は思い込んでいました。餌を食べているふりは見抜きにくいですが、糞の数は絶対にごまかしがききません。獣医からはこう教わりました。
糞の数が25個以下の場合は、インコが餌を食べていないか、体調不良を疑った方がいい。
また、白っぽい尿のみの糞が多い場合は、水分ばかりを摂取していて餌をあまり食べられていません。
これを知った私は毎日、2代目の糞の数をチェックしています。成鳥のマメルリハインコで、1日に大体30~45個程糞をしています。
インコの餌はペレット100%にする必要はない
獣医からアドバイスを受けて、インコの食餌を見直すことにしました。現在、我が家ではペレット6~7割とシード3~4割の混合で与えています。
実はルイを亡くしてから「インコの餌は、 完全栄養食であるペレット100%の方が良いのではないか!?」と考えていました。そこで2代目の餌は完全ペレット食にしようかと思っていたのです。
ところが獣医からこんなアドバイスを受けたのです。
インコはシードの殻を剥いて食べることが自然の中での食事方法なので、その行為自体が楽しみであり、ストレスの発散になります。そして数種類のシードが混合されたミックスシードは、好きなシードを選んで食べられる楽しみもあるので、シードも2~3割与えてあげてください。
実際に餌を食べているところを観察していると、いつも真っ先に食べるのはシード。好きなものから食べていくようですが、食べる順番も大体決まっていることが見て取れました。
やはり餌の中にはちゃんと「お気に入り」があるので、そういう「お楽しみ」を入れておくことは大切だと思います。
ペレットは100%じゃなくても大丈夫です。メインをペレットにして、シードや野菜、果物などを副食に与えると良いと思います。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) August 31, 2020
インコの好き嫌いをしっかりと把握しておく
インコは病気を隠す習性がありますから、飼い主が鳥の名演技に騙されて体調不良の発見が遅れる可能性はあります。
そう考えて実践しているのが、体調が悪くなった時でもインコが食べたくなる大好物を見つけておくこと。
シードの中でも特に好きな種類、野菜や果物の好き嫌い、粉状のペレットが好きなのか?水に浸したペレットを好むのか?形や硬さは?…などと条件を変えていろいろ試しています。
元気なときに「どの餌がいちばん食いつきが良いのか?」を確認しておくと、体調不良になった時に「これなら食べてくれる!」がわかっている安心感と心の余裕が断然違います。
高栄養・高エネルギーの病中・病後の餌を常備しておく
体の小さなインコが体調を崩すと容態が一気に急変することがあります。
そこで小さな変化に気が付いた時にすぐに高栄養価の餌に切り替えられるようにハイエネルギータイプの餌を常備しています。
インコの様子が少し気になるけれどすぐに動物病院に行けない場合もあると思うので、そんな時に少しでも体力をつけてもらうために栄養価が高い餌を用意しておくと安心です。
また、治療が長引いた場合にもそのまま与え続けられるので便利です。
ただし急に餌を変えてしまうと逆に食べなくなってしまう子もいますので「うちの子はこれを食べられるか?」「食いつきが良いか?」などを事前に確認しておく必要があります。
保温ケース(プラケース)を用意しておく
ルイの時もそうでしたが、本当に弱ってしまうとインコは足の握力が無くなり、止まり木に止まれなくなって落ちてしまいます。
そこで落下防止と保温のために、虫かごのように風を通さず床が平らなプラケースを用意しておくと急な事態に直面しても安心です。
プラケースは普段の通院でも使えるので、いざという時のためにひとつ用意しておくことをおすすめします。
インコの餌の種類を厳選!「本当に生きている」シードを選ぶ
市販のインコ用シードは、販売するまでの過程で加熱処理が行われることがあり、芽が出ない「すでに死んでいる」ものがあるんですよ。
私がルイに与えていたシードと、今の動物病院で勧めてもらった特別療法食プリスクリプション・ダイエット BD-100を水につけて観察してみました。すると芽が出たのはBD-100だけでした。
”生きているシード”と”死んでいるシード”では栄養価が全然違うんです。
そう獣医から言われ、実際に両方とも与えてみたところ、”生きているシード”の方が圧倒的に食いつきが良いこともわかりました。
普段からできる限りのお世話と体調管理、リスクに備えた準備をしておけば、不幸な局面を回避できるのではないかと思います。