スプラウトの育て方について、「カビが生えそうで怖い」「難しそう」と二の足を踏んでいませんか?実は、スプラウトは基本的なポイントを押さえれば、ご家庭でも安全に栽培できる優れた食材なのです。
発芽したての種子には、乾燥状態では眠っていた栄養がぎゅっと凝縮されています。特に発芽から2~3日の段階で栄養価が最大になります。消化も良く、鳥たちも喜んで食べる「生きたサプリメント」として注目を集めています(鳥飼いさんは発芽シードといえばわかるでしょう)
スプラウトと一口に言っても、茎を伸ばしたカイワレタイプから発芽初期のものまで、種類や育て方はさまざま。でも、どれも清潔な環境と正しい管理があれば、誰でも簡単に始められます。この記事では、スプラウトの基礎知識から種類別の栽培方法まで、失敗しないコツを詳しく解説します。
スプラウトと発芽シードの違いと、それぞれの栄養的特徴
種類別の栽培期間や管理方法の違い
栽培容器の選び方と使い方
これらの知識があれば、家庭でのスプラウト栽培は決して難しくありません。むしろ、毎日の成長を観察する楽しみも味わえます。
実はわが家のスプラウト栽培は、もともとは「野菜を摂らせるための インコの手作りご飯」から始まりました。人はもちろん、インコにも野菜を欠かさずに食べさせたいと思っている方には、スプラウト栽培はおすすめです。ご自身のペースでスプラウト作りを始めてみませんか。
- 小鳥にスプラウトや発芽シードがおすすめできる理由
- スプラウトの失敗しない育て方と発芽シードの作り方
- スプラウトの育て方の注意点
- スプラウトとインコ用発芽シードの種類【種子と穀物リスト】
- ブロッコリースーパースプラウト【発芽3日目のスーパーフード】の育て方
- アルファルファスプラウトの育て方
- フェヌグリーク(コロハ)スプラウトの育て方
- ヒマワリスプラウトの育て方
- マスタードスプラウトの育て方
- ブラウンライス(玄米)スプラウト(発芽玄米)
- ワイルドライス(インディアンライス)スプラウト
- キヌア(キノア)スプラウトの育て方
- アマランサス(アマランス)スプラウトの育て方
- 発芽大麦スプラウトの育て方
- 発芽ライ麦の育て方
- 発芽小麦の育て方
- 発芽そばの育て方
- チアシードスプラウト(チアスプラウト)の育て方
- 発芽アズキの育て方
- 発芽緑豆(ムング豆・マッペ)の育て方
- 発芽ひよこ豆(ガルバンゾー・エジプト豆)の育て方
- 発芽エンドウ豆(エンドウ豆スプラウト・豆苗)の育て方
- 発芽レンズ豆(ヒラマメ)の育て方
- ケールスプラウト(葉キャベツ)の育て方
- テフスプラウトの育て方
- ミレット(キビ)スプラウトの育て方
- オーツ麦スプラウトの育て方
- スペルト小麦スプラウトの育て方
- 白ゴマスプラウトの育て方
- ラディッシュスプラウトの育て方
- クレススプラウト(クレソン)の育て方
- レッドキャベツスプラウトの育て方
- スプラウト栽培容器は自作・100均・専用ジャーどれでもOK
- 清潔な環境と正しい管理で簡単にできるスプラウトの育て方【総括】
小鳥にスプラウトや発芽シードがおすすめできる理由
エンバクやオーチャードグラスを主食にするのがお勧めです。エンバクを食べない場合は、ムキ餌をミルで砕いた物かフォニオパディのような小さいシードを使うこともできますが胃の負担はさほど取れません。どうしてもシードしか食べない場合はスプラウトにしたり、ムキ餌をお湯でふやかして与えます。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) July 27, 2021
スプラウトは芽出し餌のことです。新芽よりも少し発芽したシードを食べさせます。作り方は検索すれば出てきます。
オーチャードグラスは小さい種なので胃に優しいです。— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) July 28, 2021
インコシードのスプラウト(スプラウテッドシード・芽出し餌・発芽シード)は乾燥シードより消化が良いだけでなく、低脂肪で 栄養価が高まっているので、胃弱なインコにおすすめできる食餌です。
最近の飼い主さんは鳥の食に真剣に向き合う勉強熱心な人が多いので、発芽シードを知らない人は少ないと思います。
スプラウトと発芽シードはインコの「生きている」サプリメント
発芽シード(スプラウト)はほとんどの鳥が好みます。
ペレットにしてもシードにしても、食べる前に水の中に餌を投入するインコがいますよね。
ペレットであれば、喉を通りづらくてオエオエする予防や、ペレットの飲み込みやすさのために水につけてることが多いですが、乾燥した硬いシードならすぐに変化が起こることはないので、タネを水に入れたりつけたりする必要はないはず。
タネを発芽させるためにわざと水につけてるのでは?鳥はそれを本能で知っているのでは?…と思いますが、それは鳥のみぞ知る。
うちのインコたちは老若男女問わず、発芽シードを好んで食べますし、
挿し餌卒業前の一人餌練習中の幼鳥でも 発芽シードを爆食します。
オカメインコの平均寿命は20年前後ですが、その秘訣はやはり適切な食習慣と食生活。
発芽シードの提供もそのひとつですし、私はスプラウト(発芽シード)は主食とサプリメントの役目を兼ね備えたすぐれた食餌だと考えています。
野鳥は飼い鳥よりグルメ!インコの食のバリエーションを増やすには?
主食がシード100%の飼い鳥は、四六時中、脂肪分が高めの乾燥したシードを食べていますが、野鳥は「生」「乾燥」「発芽」の3パターンのシードを食しています。
生は未完熟で水分が多めのタネ。乾燥は市販されているような乾いたタネ。発芽は発芽スイッチがオンになって芽と根を伸ばし始めたタネ。
発芽段階のタネは脂肪が減り、アミノ酸が増大して栄養価が高まった優れた食餌に大変身しています。
発芽時に、デンプンを蓄えた栄養の貯蔵庫である胚乳が炭水化物に変わっていき、この過程で甘みも増すため、鳥にとっては「これはうまい!」と感じるおいしいごはんに変化するのです。
鳥の餌の「乾燥シード」は、そのままではうんともすんとも言わない「眠っている」(あるいは死んでる・または仮死状態の)タネです。
皮付きのシードでも、餌に加工する工程によりすでに死んでしまっているものもあります。
「皮付き」を選んでもそのタネがすでに死んでいるなら、むき餌(発芽しない死んだタネ)を食べさせているのと同じようなものです。
野鳥たちは種が動き出す「その瞬間」を狙って「生きたタネ」を食べているだけでなく、昆虫などの優れたたんぱく質をチャンスがあれば摂ることができます。
つまり旬の野菜や野草、果実も、新鮮かついちばんおいしいところを狙って自由に食べています。一方で、飼い鳥は食に困ることはないものの、野鳥と比べたらおいしいものを食べていないなと思います。
鳥が発芽シードを喜んで食べる理由は、発芽の過程でタネが甘くなっておいしさがアップすることも大きいでしょう。これを愛鳥の食卓にのせないのは、食の楽しみだけでなく栄養面から考えても、とてももったいないことです。
自分でスプラウト(発芽シード)を作ってインコに与えてもいいのか?
自分でスプラウトを作って与えてもいいのですか?「カビが生えるから個人で作るのはダメ」と言うのを目にしたことがあるのですが?
その質問に対する回答がこちら
基本は自分で作るものです。与えて食べ残したら、臭いが出る前に撤去すれば問題ありません。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) July 28, 2021
「スプラウトがぬめっとした」とか「変なにおいがする」とか言う人もいますが、それはスプラウトが悪いのではなく、作る人の管理が悪いのです。
管理が悪かったり、作り置きしようと思うから変質するのです。こういうものは基本的に、作ったら、鮮度が高いうちにすぐに与えるのが鉄則です。
食べるのが鳥であれ人であれ、スプラウトや発芽シードは「食品」なので、「鮮度」と「衛生状態」を第一に考えるのが当然です。
高温多湿な時節がある日本ではスプラウト(発芽シード)作りは難しいという人もいますが、それは全くの誤解です。
「うちの子は胃が悪いから、療養食として発芽シードを食べさせたい」と思っているのに、スプラウトを作る期間が限定されていたら困ります。それではまったく使いものになりません。
ポイントをきちんと押さえれば、1年じゅう安全に発芽シードを作れます。
発芽シードならすぐできる!茎が伸びたスプラウトでなくていい
植物の種子は発芽する時に生命エネルギーが最大になります。その最大の恩恵を与えられるスプラウト(発芽シード)は最高のごちそうであり、鮮度抜群の生きたサプリメントといえます。合成サプリなどの比ではありません。
「生きたサプリメント」と言われる所以は、発芽することで栄養成分が増大したり、新しく合成されるところにあります。
植物の種子が発芽する時と芽が成長する時では、必要な栄養成分が異なります。そこで芽が伸びる時には「タネ」だった頃には存在しなかったビタミンやミネラルが必要となり、植物が自分で合成していきます。
ビタミンでは特にB群やE、アミノ酸、酵素、食物繊維などが大幅に増加します。全体的に微量栄養素の量も種類もバラエティに富むので「生きたサプリメント」と呼ぶにふさわしいものです。
種子が発芽して胚芽に新しい細胞が生まれる時、新たに作り出された栄養素が最高レベルになっているわけで、この段階を利用しているのが発芽玄米をはじめとした発芽食です。
インコスプラウトと発芽シードの違いは?
発芽シードは1ミリくらいちょろっと芽(ツノ)が出たところで与えるのがいちばん栄養価が高いので、もやしみたいに「発芽しました!」と主張するところまで置いておく必要はないです。
原理は「発芽玄米」と同じであり、ブロッコリースプラウトや豆苗のように茎が伸長したものは野菜扱いになります。
これは粟穂を発芽させたものですが ここまで育つともはや野菜ですね。これはそもそも食餌用ではなくおもちゃ用に作っているものなので、わざとここまで育てたのですが。
この記事でいうところの発芽シードはその手前の段階…つまりインコの発芽シードとは「栄養価がグーンと高まり、おいしくなった胚乳」をインコに食べさせるものを指しています。
ずいぶん前にネットで市販されている発芽シードを見たことがあるのですが、すでにもやしになっているものもちらほらあったり、見た目の鮮度がいまいち。植物の成長のためにだいぶエネルギーと栄養価を削がれてしまっており、あれでは栄養価がダダ下がりで意味がない…と思いました。
タネから自分の手で発芽シードを作らないと、栄養価の高い「生きたサプリメント」とは呼べません。
スプラウトの失敗しない育て方と発芽シードの作り方
スプラウト(発芽シード)の栽培方法は、モヤシ型とカイワレ型の2種類に大別されます。
スプラウトを栽培する季節(温度)と、どの程度の大きさまで育てるかにもよりますが、収穫期間の目安は
スプラウトの育て方のコツ【モヤシタイプ】
種にする豆は新豆にすること(古いと発芽しないことがあるため)
「スプラウト専用」の種子を使う。できればオーガニックが理想的。
1日2回以上のすすぎが必要。ひよこ豆のように傷みやすい種類は1日4回以上。
人が食べる用で炊き込みご飯や煮豆に使う場合は1~2日程度のものでもOK
市販の豆もやしはエチレンガスを使って太く短く育てている。家庭ではエチレン処理しないため細く長くなることが多い(細長くても出来が悪いわけではない)
モヤシを大きくする(伸ばす)には1日2回のすすぎを続け、暗いところにしばらく置いて、本葉を開かせないようにするのがコツ。
スプラウトの育て方のコツ【カイワレタイプ】
「スプラウト専用」の種子を選ぶ。
ある程度発芽が揃ったら覆いを外し、霧吹きで湿度を保つ。
双葉が開いたら明るいところへ置いて、緑が濃くなり茎が伸びたら収穫する。
スプラウトの育て方【水・空気・温度・日光・栽培場所】
水
スプラウト栽培に使う水は水道水でOKですが、浄水器の水ならベターです。
空気・風
植物の栽培においては空気が循環している(風がある)のが理想的ですが、すすぎの時に酸素の入れ替えが強制的に行われるので、短期間で完結するスプラウト栽培ではそれほど問題になりません。
温度
植物の発芽温度は一般的に18~22℃ ヒトが快適に思う温度が最適です。
植物は発芽が始まると熱とガスを放出するので、密閉性の高い容器を使っている場合は、栽培容器内部が高温にならないように注意が必要です。
私は冬場の発芽にはヨーグルトメーカーを利用しています。
少量を複数種作りたい人は「ラララクタス」がおすすめ これはガラスの小瓶が4個ついているので、シードの種類ごとに別々に発芽させたいときに便利です。
抗菌対策
いろいろなやり方がありますが、初夏から夏にかけてはカビや腐敗を防止するために涼しい場所に置き、すすぎの回数を増やすのが基本です。
抗菌対策として、私はGSEリキッドを愛用しています。
日光と栽培場所
置き場所は基本的に室内で、間接光が当たる場所が理想的。冬は暖房の風が直接当たるところは避けて温かい場所に置きます。
発芽初期に日光に当てると、スプラウトの伸びが止まるので、伸長させさせたい場合は注意しましょう。
また、直射日光に当てると栽培容器内の温度が上がり、ダメになってしまう場合がありますので、その点も気を配ってください。冬場は太陽光線が弱くなるので、明るい場所に置きます。
スプラウトの育て方の注意点
スプラウトは季節問わず1年じゅう栽培・収穫でき、天候に左右されることもなく好きな時期に栽培できます。
茎を長くのばすカイワレ型でも1週間程度でぎっしり育ちますので自分のペースで育てられますし、インコに与える発芽シードなら2~3日で完成です。
そんなスプラウト栽培で悩むことが多いのは、発芽までの管理やすすぎの頻度でしょう。これらは…
そのポイントを以下で詳しく説明します。
【スプラウトの育て方の盲点】衛生管理を徹底すれば安心・安全
タネの浸水時間
スプラウト栽培には共通点が多いが、種類によって浸水時間が異なるため、種子袋の取説に従う。
温度管理
暑くなったら冷蔵庫をうまく利用して、衛生面や成長度合いを各自でコントロールする。
衛生管理
衛生管理上の盲点が人間の手。種子を不用意に手で触らないこと。直接手で触れるとタネに雑菌がついてカビやすくなるので、清潔なスプーンなどを使うこと。
天然の抗菌性を利用する
マスタードやラディッシュの種子には植物性の抗生物質が含まれるので、これらを少し混ぜておくと、カビの発生を抑制する効果があると言われている。
カビと変質の防止
前出の、私が愛用しているGSEリキッド(grapefruit seed extract)もおすすめですが、一晩水につける前に、少量のオーガニックアップルサイダー(リンゴ酢)を入れた水に浸して、バクテリアやカビを殺菌してもOKです。
【スプラウトの育て方の勘違い】ひげ根・根毛とカビの見分け方
スプラウト初心者は、根毛をカビだと勘違いしないようご注意ください。
慣れてくると見た目だけで判断できますが、よくわからない場合に根毛なのかカビなのかを見分ける決め手は「におい」です。悪臭がするならカビ、スプラウト特有の植物性の芳香なら、根毛(またはひげ根)です。
根毛はすすぎで消えることがあるので、適切なすすぎを繰り返していればすぐに見分けがつきます。すすぎが適切に行えていれば、カビが生えることはまずありません。
もし少しでも悪臭がしたら躊躇せず 直ちに植物は全廃棄の上、栽培容器をしっかり洗浄・消毒・乾燥してください。
スプラウト種子を浸した水の濁りや泡立ちは正常な発芽プロセス
インコの発芽シード作りもスプラウト栽培もタネを水に浸漬することから始まりますが、浸漬時間(概ねひと晩)を過ぎるとタネを浸した水が濁って表面が泡立ちます。
んん~!?と思う臭いがしたりしますが、ここでそれを捨ててはいけません。これは悪くなったわけではなくて発芽に向けて当然起こるべきプロセスです。
この濁りや泡立ちは浸漬により種の中の酵素抑制物質が水に流出して中和されているだけであり、酵素抑制物質が失活すれば酵素の働きが活発になって、ようやく発芽スイッチがオンになります。
こんな動きがみられるのはタネが生きている証拠。しっかりとすすぎを繰り返してから適切な場所に移動して、スプラウト栽培を進めていきましょう。
スプラウトとインコ用発芽シードの種類【種子と穀物リスト】
via:recipets ご利用は自己責任にてお願いします。
スプラウトが種子や豆そのものより栄養価が高くなるのは、発芽エネルギーのためにビタミン・ミネラル、フィトケミカル(ファイトケミカル)が生成されて、栄養価と共に抗菌力や抗酸化力が高まるから。
その栄養やエネルギーがピークになるのは発芽直後で、その最大値は成長するにつれて下降していきます。
たとえば「ブロッコリースーパースプラウト」は発芽3日目だから「スーパー」であって、そのピークを逃したら本来望んでいた効果・効能が失われ、普通の「ブロッコリースプラウト」に成り下がり(?)ます。
普通のブロッコリースプラウトもスルフォラファンを含有していて栄養価も高いですが、「スーパー」と呼ばれるのは期間限定。
栄養素はそのくらいデリケートなもの。だから食べるのが人であれ鳥であれ、発芽直後の爆発的な生命エネルギーを摂りたいなら、できるだけ早く食べることが肝要です。
インコの発芽シードであれば、1ミリほどツノが出たところで食べさせるのが理想的なのも、この理由からです。
ブロッコリースーパースプラウト【発芽3日目のスーパーフード】の育て方
スプラウトの代名詞的存在がブロッコリースプラウトでしょう。抗がん作用があるスルフォラファンの効果が最大になるのは発芽して3日目の若芽の部分。
この3日目の新芽はブロッコリースーパースプラウトと呼ばれていて、通常のブロッコリースプラウトの3倍。成熟したブロッコリーの20倍のスルフォラファンが含まれています。
スルフォラファンの抗酸化作用は体内で3日間持続するデータもあります。
アルファルファスプラウトの育て方
アルファルファはもともとはサラブレッドの飼育に使われていた牧草です。タンパク質とカロチンが豊富に含まれ、水分を除くたんぱく質の含有率は35% 半カップ量でのビタミンc含有はオレンジジュース6杯分と、見た目からは想像できないほど栄養豊富な植物です。
フェヌグリーク(コロハ)スプラウトの育て方
フェヌグリーク(コロハ)はマメ科の1年草で、種子はカレーの風味づけに使うスパイスです。タンパク質、ビタミンA、鉄分、サポニン、リン、コリンが含まれています。
ヒマワリスプラウトの育て方
肉厚な葉に太い茎で存在感抜群の、アメリカで人気のスプラウトです。ヒマワリスプラウトはビタミンB1 B2 E 鉄分やミネラル類をバランスよく含んでいます。
マスタードスプラウトの育て方
マスタードはそのイメージ通りピリッとスパイシーな味わいのカラシのスプラウトです。ビタミンB群 鉄分やミネラル類 酵素が豊富です。
マスタードの種子から出る精油に抗菌作用があるため、他のスプラウトを栽培する時に少しだけ混ぜると、カビの繁殖を防いでくれます。
ブラウンライス(玄米)スプラウト(発芽玄米)
玄米は胚の部分を0.5~1ミリ程度発芽させることで飛躍的に栄養価がアップします。GABAも発芽により増加する有効成分です。
ワイルドライス(インディアンライス)スプラウト
名前は「ライス」ですが米ではなく、マコモの一種の多年草の種子ですが、主食として食べられます。
ワイルドライスは低脂肪・低カロリーでありながら栄養価が高く、タンパク質は玄米の2.5倍で鉄分は2倍。ビタミンB6 ビタミンE リボフラビン 葉酸 ナイアシン 亜鉛 マグネシウム カリウム リン 銅 食物繊維が豊富です。
発芽前は非常に硬いのでゆでるのに時間がかかりますが、発芽させると早くゆであがります。ただし、以下の商品が発芽するかどうかは不明です。
キヌア(キノア)スプラウトの育て方
キヌアはアワやキビに似ているので一見すると穀物かと思いきや、イネ科ではなくアカザ科の一年草です。アンデス高地では数千年も主食として食べ継がれており、インカ帝国ではキヌアを「穀物の母」と呼んでいました。
NASAの宇宙食にも推奨された栄養バランスの良い疑似雑穀で、くせのない味わいです。
浸水すると短時間で発芽しやすく、条件が合えば3時間ほどで発芽が始まるので扱いやすいです。
必須アミノ酸をバランスよく含有し、タンパク質は白米の2倍、ビタミンEは26倍、食物繊維は12倍、カルシウムは9倍、マグネシウムは8倍 スーパーフードと呼ぶにふさわしいことがよくわかります。
ほんの少し種子にくせがあるのは、苦み成分「サポニン」で覆われているため。サポニンを除去したキヌアも市販されています。
サポニンは反栄養素(抗栄養素)のひとつで、コレステロールの吸収を阻害しますが、鳥類はコレステロールゼロの植物性の食物を食べていることが多いので、ヒトと比べると支障は少ないと言われています。
そもそも反栄養素は そればかりを大量に食べなければ毒にはならないことが多いです。ほんの少量食べるなら問題ありません。
キヌアは食後の血糖値が上がりにくく、ハリウッドセレブがダイエットフードにしたことから有名になりました。よく見かけるキヌアは白色ですが、赤・黄・紫・黒色の種もあります。
アマランサス(アマランス)スプラウトの育て方
アマランサスもキヌアと同様にNASAが宇宙食として取り入れたスーパーフードで、WHO(世界保健機構)も「未来の食物」と評価する疑似雑穀です。
「スーパーグレイン」(驚異の穀物)とも呼ばれていますが、穀物ではないのでグルテンを含まず(グルテンフリー)小麦アレルギーの人によく利用されています。
アマランサスの注目すべき成分は「トコトリエノール」これはビタミンEの一種なので、抗酸化作用がとても高いと言われています。
アマランサスのタンパク質は白米の2倍、食物繊維はレタスの7倍で、米に入れて炊くだけでダイエットや便秘解消効果が期待できると人気です。
アマランサスだけで炊くと何だかたらこみたいなプチプチ食感がおもしろく、加熱すると白い糸状のものが出てくることがありますが、それは胚芽なので問題ありません。
アマランサスには必須アミノ酸が豊富で、中でもリジンが多いので、リジンが少ない白米に合わせて炊くと、アミノ酸スコアが上がるのでおすすめです。
発芽大麦スプラウトの育て方
大麦はもっとも古くから栽培されている穀物のひとつで、1万年前のメソポタミア文明の頃から栽培されていました。
雑穀の中でも特に食物繊維が多く、大麦の一種である「もち麦」は人気です。食物繊維には「水溶性」と「不溶性」があり、穀類に含まれるのはほとんどが「不溶性」
腸の調子を整えるためには水溶性と不溶性の両方が必要ですが、大麦は両方を豊富に含んでいるため、腸活には特におすすめです。
プチプチ食感と優しい香りが特徴の大麦は、発芽させて緑葉になるまで育てれば「大麦若葉」です。
発芽ライ麦の育て方
ドイツの黒パンで有名なライ麦は独特な香りが特徴で、小麦より細長くてくすんだ色合いをしている穀物です。食物繊維とビタミンB1が多く含まれていて、糖尿病の予防食にもよく利用されています。
発芽小麦の育て方
発芽小麦はビタミンC E ナイアシン テアニン パントテン酸 リン 鉄分 食物繊維を豊富に含み、発芽により必須アミノ酸がぐんと増えます。
少し育った小麦若葉はビタミンB群が多く、ビタミンCやカルシウムも豊富で、抗酸化作用も期待できます。
小麦若葉も大麦若葉も青汁にされますが、小麦若葉の方が芳香も甘みもあります。
発芽そばの育て方
ソバには血圧を下げて、毛細血管を強くする、血液の循環を良くするフラボノイドの一種の「ルチン」が含まれていますが、これを発芽させることにより、ルチンは10倍に増えます。野菜などでビタミンcを一緒に摂ると、ルチンの抗酸化作用がアップします。
ルチンは水溶性なので、麺(そば)をゆでるとゆで汁にルチンが溶けだしてしまいます。ルチンが溶けだした「そば湯」を飲めば損失は補えますが、生でまるごと食べられるスプラウトなら、ルチンの損失がないのでおすすめです。
ソバの実は麺だけでなくゆでて粒食もできる雑穀で、米や小麦に比べるとビタミンB群が多いので、エネルギーの代謝を助けます。
インコシードに入っているソバの実で、たまたま庭に落ちたこぼれ種でさえすぐに芽を出して花を咲かせるくらいなので、そばは発芽率が高く、かなり生命力が強い植物です。
チアシードスプラウト(チアスプラウト)の育て方
ハリウッドセレブの間で流行ったことで日本でも知名度が上がり人気に火が付いたチアシードは、紀元前3000年以前からマヤやアステカで食べられていたそうで、現在も中米では常食されています。
チアシードはシソ科の植物の種で、その栄養価の高さは「水とチアシードがあれば人は生命維持ができる」といわれるほどです。
チアシードには白と黒がありますが、白の方が優れていると言われています。
チアシードの特徴は水に浸すと12倍の水分を吸収し、タネの周りにゼリー状の食物繊維をまとって膨らみます。粒のサイズはゴマよりも小さく、味も香りもしません。
そんなチアシード最大のメリットはオメガ3脂肪酸を56%も含むこと。ヒトの場合、大さじ1杯(10g)のチアシードを摂ることで、厚労省が推奨している1日分のオメガ3脂肪酸を摂取できます。
運動に慣れてきたら運動時間と回数を増やします。体調を確認しながらやりましょう。もちろん健康状態が良くない場合や高齢の場合は無理にやらない方が良いです。運動自体のカロリー消費はさほど高くありません。運動の目的は代謝を上げることです。代謝が上がると摂取量を増やすことができます。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) April 25, 2021
鳥は血中の脂質が上がりやすいので、低脂肪がお勧めです。オメガ3脂肪酸は血中の脂質を下げるので、摂取してもいいと思います。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) April 26, 2021
小鳥の場合は餌がシードでもペレットでも、オメガ3脂肪酸摂取の目的で チアシードを与えることが推奨されていてます。ただこれも「タネ」ですから高脂肪なので、その提供量は1日に1~5%未満に留めてください。
|
発芽アズキの育て方
日本人におなじみの食材ですが、お赤飯を作る時にも普通の小豆ではなく発芽小豆を使えば、栄養価が飛躍的に上がります。
小豆の主成分はでんぷんとタンパク質ですが、ビタミンB1が豊富で、東洋医学ではむくみや肉体疲労に効果が期待できるとされています。小豆の赤い皮にはアントシアニンが含まれているので、抗酸化作用も期待できます。
発芽小豆は根を少し長く伸ばすと、緑豆もやし(市販のもやし)によく似た風味です。
発芽緑豆(ムング豆・マッペ)の育て方
市販のもやしや春雨に使われているマメです。もやしの安さを考えると想像できないほど栄養価が高く、ビタミンA・B群・C・Eや各種ミネラルが含まれています。
市販のモヤシは軸を太くするために栽培行程でエチレンガスを使っています。
家庭で育てるスプラウトはどうしても細くて長いもやしになりますが、これはエチレン処理していないので当然。もやしがひょろひょろなのは自分の育て方が悪いのかも!?…などと考えなくて大丈夫です。
発芽ひよこ豆(ガルバンゾー・エジプト豆)の育て方
ひよこのくちばしのような突起物から「ひよこ豆」の名がついています。
乾燥状態ではカチカチですが、ひよこ豆は煮るとほっこりした味わいになり、高たんぱく・低カロリーなので、ダイエット向きの食材でもあります。
ひよこ豆はビタミンB1・B6が多く、エネルギー代謝を助けます。銅や葉酸も豊富なので貧血や生活習慣病の予防に効果があります。
煮て食べる場合は、発芽した豆は煮えるのが早くて、煮すぎると割れてくずれてくるので、少し腹が割れた程度が食べごろです。
発芽エンドウ豆(エンドウ豆スプラウト・豆苗)の育て方
発芽レンズ豆(ヒラマメ)の育て方
豆の形がレンズに似ているから「レンズ豆」と呼ばれます。レンズ豆の色は緑褐色やベージュ系ですが、皮をむくと鮮やかなオレンジ色もあります。
レンズ豆は質感が柔らかめなので優しく扱わないと根がちぎれやすいため、あまり長く芽を伸ばさないうちに食べてしまった方がいいでしょう。発芽レンズ豆もタンパク質が多く、発芽後の方がビタミンcやEが増大します。
ケールスプラウト(葉キャベツ)の育て方
ケールはアブラナ科の野菜で、ブロッコリーやキャベツの原種ですが、苦みが強いのが特徴で、ケールの青汁も苦いです。
ケールはビタミンKや葉酸などいろいろな栄養素を含むスーパーフードなので、「緑黄色野菜の王様」と呼ばれていますが、抗凝固薬(ワーファリン)を服用している人は摂取してはいけません。
テフスプラウトの育て方
テフは5000年も前からアフリカで栽培されていた古代穀物で、イネ科最小の穀物です。
フォニオパディもアンパンの上に乗っているけしの実のように細かな粒ですが、テフはさらに微細で、現地の言葉で「見失う」を意味するくらい細かな穀物です。
エチオピアでは石臼でひいて小麦粉のように製粉し、パンにして食べているそうですが、小麦粉よりも鉄分とカルシウムを多く含みます。
また、テフはグルテンフリーで、腸内環境を整える難消化性デンプン「レジスタントスターチ」が含まれます。レジスタントスターチは腸内を移動しながら不要なものを排出してくれますので、腸活におすすめです。
|
ミレット(キビ)スプラウトの育て方
|
オーツ麦スプラウトの育て方
|
スペルト小麦スプラウトの育て方
白ゴマスプラウトの育て方
ゴマには強い抗酸化作用を持つゴマ特有のセサミンやセサミノールが含まれます。
私が初めて育てたゴマスプラウトは白ごまでしたが、「タネ」のゴマからは想像できない苦みにびっくり!でも好きな人にはクセになる味わいかも。栽培方法はカイワレ型だけでなくモヤシ型スプラウトでもイケます。
ラディッシュスプラウトの育て方
和名は二十日大根。カイワレ大根の近縁なのでよく似た風味で食べやすいスプラウトです。
ラディッシュスプラウトにはビタミンA B1 C 鉄分 リンが豊富で、抗菌作用・抗酸化作用があります。
クレススプラウト(クレソン)の育て方
「クレソン」は水辺で育つので「ウォータークレス」と呼ばれますが、スプラウトにする「クレス」は畑地で育つ「ガーデンクレス」です。
クレスはクレソンと近縁種で、クレソン=クレスとするところもありますが、これらは正確には別種です。
クレスはピリッとしたスパイシーな辛みが特徴で、カイワレよりもやや刺激的な味わいです。
レッドキャベツスプラウトの育て方
レッドキャベツが少し伸びたスプラウトはくせがなくてほんのり甘く、よくかむとキャベツの味がします。
キャベツは胃にやさしく酵素がたっぷり入っているので、少し育ちすぎてたキャベツスプラウトもインコたちにおすすめです。
うちでもこのスプラウトをよく作りますが、この紫色のが レッドキャベツです。
スプラウト栽培容器は自作・100均・専用ジャーどれでもOK
スプラウトは生長形態からカイワレ型スプラウトとモヤシ型スプラウトがありますが、スプラウトの栽培容器で分類すると4つのタイプあります。
スプラウト栽培専用容器
プラスチックか金網の容器・ざるの類…底面積が広いものが使いやすい
広口瓶(メイソンジャーその他)
通気性のある袋(麻袋・水切りネット・洗濯ネットなど)
スプラウト栽培専用容器の特徴~カイワレ型・モヤシ型・自動栽培にも対応
スプラウト栽培に特化して作られている専用容器は水や空気の循環がうまくいくように設計されているので、管理が楽で失敗が少ないのが特徴です。
段重ねできる形状のものは省スペースであると同時にスプラウトの成長観察がしやすいので、複数の種類を同時栽培する場合におすすめです。
スプラウト栽培容器に種子が同梱されている「栽培キット」もあります。
スプラウト専用栽培容器にはモヤシ型スプラウトやカイワレ型スプラウト、どちらにも使えるハイブリッド型からモヤシ栽培マシーンまで多種多様な選択肢があります。
スプラウト容器自作は100均でもOK!ざるやトレイのスプラウト栽培の特徴は?
ザルを使ったスプラウト栽培では、穀類の種子や豆類の発芽に使い勝手がいいです。ざるの下に別にバットやトレイを敷いて栽培します。
底面積が広い容器ならキッチンペーパーなどのシートを二重・三重に敷けば小粒の種子にも対応できますが、ザルを使うスプラウト栽培はどちらかというと粒の大きな種子を発芽させるのに向いています。
ザルはプラスチックか金網が最適。竹ざるはカビが生えやすいのでおすすめできません。
栽培するのが少量なら小さな茶こしとマグカップの組み合わせもいいですし、水と空気が流通できるなら100均で売っている容器でどんなものでも使えます。
それがもやし型スプラウト向きか、カイワレ型スプラウトに向きかは、容器の形状により変幻自在です。
ふくろ(麻袋や洗濯ネット)を使ったスプラウト栽培の特徴
これは袋に種子を入れて吊るし、定期的なすすぎを繰り返しながらスプラウトを育てる方法で、袋に入れて蛇口の所に吊るしてスプラウトを育てている方もいます。
麻で袋を作ったり、洗濯ネットを使えば手軽ですが、この場合は湿度への配慮が大切です。
たとえば洗濯ネットを使うと水切れが良い場合に乾燥しすぎます。ビニール袋で洗濯ネットをすっぽり覆ってしまうなど、適湿を保つための工夫が必要です。
袋型のスプラウト栽培では中身が見えないので、すすぎの時に逐一袋を開けて中の状態をチェックする必要もあります。
袋を使ったスプラウト栽培はモヤシ型スプラウト特化ですが、インコの発芽シードのように発芽直後に食べさせる…つまり、光を利用する必要がない種子のスプラウト栽培に向いています。
スプラウトジャーのスプラウト栽培(ガラス広口瓶・メイソンジャー)は実は中級者以上向き
スプラウトジャーのような広口瓶は手軽にスプラウト栽培ができ、見た目もおしゃれにうつるかもしれませんが、スプラウト栽培レベルとしては中級者以上向きです。そしてモヤシ型スプラウトに特化した栽培方法となります。
スプラウトジャーの特徴は水切りが不完全になりやすく、空気が流通しづらく、光の当たり方にムラができること。
そのため外側と内側では生長にムラができやすく、発芽時に発生するガスや熱のせいでスプラウトがダメになることも、季節によっては起こります。
また、広口瓶でのスプラウト栽培は他の栽培容器よりもこまめなすすぎが必要です。たとえば、他の栽培方法で1日2回すすぎをするところを、スプラウトジャー栽培では3回以上すすぐ…といった具合です。
メイソンジャーの栽培ボトルがキッチンカウンター上にずらっと並んでいる様子は壮観ですが、スプラウトジャー栽培は植物にとってはやさしい方法とは言えません。
清潔な環境と正しい管理で簡単にできるスプラウトの育て方【総括】
スプラウトは種子の発芽初期段階で栄養価が最大
インコの発芽シードは1mmほどの発芽で十分
栽培容器は専用品から100均まで幅広く選択可能
基本的な栽培温度は18~22℃が理想的
浸水時間と発芽時間は種子の種類により異なる
すすぎの頻度は1日2回以上が基本
高温多湿な時期は特に衛生管理が重要
根毛とカビの見分けは臭いがポイント
作り置きは避け、新鮮なうちに与えることが大切
直射日光は避け、間接光の当たる場所で栽培
発芽初期の水の濁りや泡立ちは正常な現象
種子は専用のスプラウト用を選ぶのが安全
スプラウト作りは難しそうに見えますが、基本的なポイントを押さえれば、誰でも簡単に始められます。最初は少量から始めて、徐々に量や種類を増やしていくのがおすすめです。
清潔な環境で丁寧に育てたスプラウトは、人も鳥も楽しめる栄養豊富な食材になります。ぜひ、ご自身に合った方法でスプラウト作りにチャレンジしてみてください。
参考文献