「スープカレーって、普通のカレーを薄めただけなのでは?」
「札幌まで行かないと本当においしいスープカレーは食べられないの?」
「どのお店を選べばいいのかわからない」
そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。「マツコの知らない世界」で2021年11月に放送された人気回では、スープカレーマニアとして知られるヴァイオリニストのNAOTOさんが、札幌スープカレーの奥深い世界を紹介。初めてスープカレーを食べたマツコさんも、その奥深い味わいにすっかり魅了されていました。
この記事では、NAOTOさんが紹介した札幌スープカレーの真髄と、視聴者からも反響の大きかった名店の数々を詳しく解説していきます。
ラーメン文化から生まれた独自の出汁づくり
3人のレジェンドが確立した新しい食文化
進化を続ける具材とスパイス使い
東京でも楽しめる本格店の紹介
札幌の食文化として確立したスープカレーは、いまや全国各地で楽しめる料理として注目を集めています。カレーでありながらカレーではない、この不思議な魅力を持つ一杯の世界へ、皆さんもぜひ飛び込んでみてください。
スープカレーの世界へようこそ!NAOTOが語る魅力とは
多くの人が「カレーを薄めただけ」と誤解しているスープカレー。しかし実際は、ラーメン文化と融合した独自の進化を遂げた札幌発の新しい食文化です。その奥深い魅力に迫ります。
「カレーを薄めただけ」は大きな誤解
「スープカレー=カレーをお湯で薄めたもの」という誤解が多いものの、実際に食べてみると全く異なる食体験が待っています。
一口で甘味・酸味・旨味・スパイス感を感じられる
とろみのある食感
スパイスの香りが強く、薄くない味わい
マツコさんも初めて食べた際、想像していた味わいとの違いに驚きを隠せませんでした。特に、最後に残る「フォン・ド・ボー」のような旨味に感動していました。
ラーメン文化が育んだ出汁の世界
札幌のスープカレーが独自の進化を遂げた背景には、ラーメン文化の影響が大きく関わっています。
鶏ガラや豚骨などの出汁づくりの技術
10時間以上かけて煮込むこだわりの出汁
寒い土地ならではの温かい汁物文化
ラーメンで培われた出汁づくりの技術が、スープカレーの味の深みを支えています。
スープカレーらっきょに来た!✨️ pic.twitter.com/BBqPaS7EvE
— ポムポム地蔵⚡️ (@zizou_pomupomu) October 5, 2024
たとえば、「らっきょ」では複数の出汁を組み合わせ、一晩寝かせて香りづけをするなど、手間を惜しまない仕込みが行われています。
札幌市内に150店舗以上が軒を連ねる
現在、札幌市内だけでも150店舗以上のスープカレー専門店があり、それぞれが独自の味を追求しています。
各店舗で異なるスープベース
独自のスパイス配合
時間帯によって変わる店内の香り
NAOTOさんは「店舗によって匂いが全く違う」と語り、その香りを頼りに新店を探すほどの熱心なスープカレーファンです。
スープカレー誕生の歴史と3人のレジェンド
1970年代に薬膳カレーとして誕生し、3人のレジェンドによって進化を遂げたスープカレー。その歴史と、スープカレー界を築き上げた重要人物たちを紹介します。
1970年代の薬膳カレーから始まった歴史
スープカレーの原型は、1972年から1973年ころに誕生した薬膳カレーでした。当時の札幌は、カレー文化が未開拓の地でした。
インド人が少なく、カレー文化が根付いていない土地柄
「アジャンタ」「こうひいはうす」が薬膳カレーを考案
薬膳をおいしく食べるためのスープ仕立て
当時の薬膳カレーは、健康のためにいかにおいしく食べられるかを追求して生まれました。
いやぁ〜それにしても飲みましたわ
最高に楽しかった飲んだ次の日はこの豊平区にありますスープカレーのアジャンタがやたら食べたくなります。薬膳カレーなんで絶対にお家では食べれない味なんです。汗も出て身体に良いと勝手に思ってますとにかく美味い#札幌グルメ#札幌美食#アジャンタ pic.twitter.com/dsLNqTGMXi— ウッチー (@QpdR4Q61veRHQBI) April 21, 2024
札幌市電ロープウェイ入口から徒歩3分の場所にある『こうひいはうす』で、奥深い味わいのスープカレーを堪能しました!#スープカレー #札幌スープカレー #ロープウェイ入口 #徒歩3分 #奥深い味わい #落ち着いた雰囲気 #隠れ家的なお店 pic.twitter.com/6sAoctGjT3
— 風じゃ取材班@班長 (@fuja_hancho) July 24, 2024
現在でも両店は営業を続けており、スパイスと塩味だけで作り上げる独自の味わいを提供しています。
スリランカ狂我国・木多郎・マジックスパイスの3大レジェンド
スープカレー界の重鎮として知られる3人のレジェンドたち。それぞれが独自の発想で、スープカレーの可能性を広げていきました。
水谷正巳さん:スリランカのまかないカレーからヒント
木下雅夫さん:宮廷インドカレーを参考に
下村泰山さん:バリ島のソトアヤムからインスピレーション
特に木下さんの「木多郎」は、創業36年の老舗店。丸鶏や根室産の昆布を贅沢に使った出汁が特徴です。
#札幌市
スープカリー木多郎スープカレーの有名店きました
チキン野菜カレーを注文
結構辛いというので警戒して辛さー1にしたら
それでも辛くて️
辛いけどトマト風味強めでおいしかった
菜の花好きなのでたくさん入っててうれしかった☺️ pic.twitter.com/5f5qTl5Ma4— 札幌にきたうちのおのくん (@Free_wind_2011) March 31, 2024
「スープカレー」の名付け親は下村泰山
【全店・3日間限定】スープカレー聖誕31周年記念企画みなもと悠先生に描いていただいた泰山マスターの48mmプリズムシール♀️数量限定ですが、皆様GETしてねー!#magicspice #マジックスパイス #魔法薬草 #スープカレー #マジスパ #48mm #ヨンパチ #ビックリマン風 #みなもと悠 pic.twitter.com/gb0xWZVWUh
— マジックスパイス公式 (@magicspice_o) October 27, 2024
「マジックスパイス」の下村泰山さんは、「スープカレー」という言葉を生み出した張本人です。その誕生には、意外な偶然が関係していました。
バリ島の屋台で食べたソトアヤムに着想
隣がラーメン店だったため麺料理は避ける
新しいジャンルとして「スープカレー」を確立
下村さんが考案した「スープカレー」という名称は、その後の札幌の食文化に大きな影響を与えることになります。マツコさんも20年前のスープカレーブームを記憶していると語っていました。
北海道の食材を活かしたスープカレーの実力
スープカレーの魅力は、北海道産の野菜や食材を存分に活かした具材にもあります。各店が腕を競い合い、独自の調理法で素材の魅力を引き出しています。
木多郎の「ベーコンエッグ野菜」に衝撃
本日はmoon36にて安定のベーコンエッグ野菜✨ゴリゴリスパイスのスープカレー大好きすぎる❤️デトックス❣️ pic.twitter.com/85FenkSARG
— 北海道観光大使/カレー・ラーメン @. (@japan_sayaka) May 9, 2023
木多郎が提供する「ベーコンエッグ野菜」は、斬新な発想で作られた一品です。マツコさんも想像を超える味わいに驚きを隠せませんでした。
特注のベーコンと半熟卵がメイン
菜の花の苦みを活かした野菜使い
トマトの酸味が全体をまとめる
素揚げしたナスやピーマンに加え、菜の花を使用するのは珍しい試みです。トマトと一緒に食べることで味わいが変化し、マツコさんは「具材との組み合わせで全然違う味になる」と感動していました。
gopのアナグラの70段階スパイス
札幌市西区のgopのアナグラ間借りカレーのpageが大好きすぎるメニューだった件。ラムキーマきのこ野菜美味しすぎる。毎回メニューが違うからこれはコンプリートしなきゃいかん!って食べてる途中から思ってまさかの二枚喰い。北海道で初めてしたかも
ひとまず最初に食べたこちら#札幌グルメ… pic.twitter.com/VpBRLbsnS5— 北海道観光大使/カレー・ラーメン @. (@japan_sayaka) October 17, 2024
「スパイスの魔法使い」と呼ばれる久保田信さんが営む「gopのアナグラ」。その特徴は、辛さを0から100番まで選べることです。
カレー研究のため50回以上の海外渡航経験
辛さを上げるほどおいしくなる独自の配合
辛味ペーストに2時間炒めたタマネギを使用
マツコさんはこの段階的な辛さに挑戦し、「辛いだけでなく、うまみが強く感じられる」と評価。辛さを増しても味のバランスが崩れないのは、丹念な下ごしらえの賜物です。
揚げ野菜やニンジンの絶妙な火入れ
スープカレーの具材は、一つひとつに丁寧な下処理が施されています。特にマツコさんが注目したのが、ニンジンの美味しさでした。
根菜類は一度蒸してから調理
じゃがいもは油で揚げて味をしめる
大きな野菜でも柔らかく仕上げる技術
ニンジンの甘みと青臭さ、スパイスの刺激が絶妙なバランスで調和し、マツコさんは「スープカレーの中のニンジンに目覚めた」と絶賛。一般的なカレーとは一線を画す、野菜の調理技術の高さが光ります。
進化するスープカレーの新トレンド
チキンレッグと野菜という定番スタイルから、新しい具材や味わいに挑戦するスープカレーの最新事情を紹介します。札幌から全国へと広がりを見せる、進化し続けるスープカレーの世界です。
11種類の野菜を使った新世代の店
KINGゲートウェイ店2月のマンスリーカリーは『ビーフカリー』と『ビーフ野菜カリー』です牛バラ肉をやわらか~く煮込んだセントラル店の限定メニューの登場です11種類の野菜がたっぷり入ったバージョンもありますよ~(*^_^*) #SOUPCURRYKING #スープカリーキング #SOUPCURRYKINGゲートウェイ店 pic.twitter.com/PbXzlYOGJR
— SOUP CURRY KING (@soupcurry_king) January 23, 2024
若い世代に人気の「SOUPCURRY KING」は、たっぷりの野菜を使用したスタイルで注目を集めています。
ヤングコーンやレンコン、シメジなど11種類の野菜
きのこ類の旨味を活かしたアレンジ
北海道産コーンの甘みを活かした一品
野菜のシャキシャキ感を活かしながら、一つひとつの素材の味わいを引き立てる工夫が施されています。
納豆入りからエビ・ハンバーグまで多彩な具材
スープカレーの具材は、従来のチキンから大きく進化を遂げています。個性的な具材で話題を呼ぶ店も増えてきました。
奥芝商店:贅沢なエビ使いが特徴
ソウルストア:一晩漬け込んだごぼう天
村上カレー店プルプル:納豆と挽肉の意外な組み合わせ
特に「村上カレー店プルプル」の納豆入りカレーは、ひきわり納豆を使用することで鶏挽肉との食感の違いを巧みに表現。マツコさんも「病気の時に食べたくなる、お母さんの味」と評価しました。
東京にも広がる専門店の輪
札幌発祥のスープカレーは、いまや東京でも楽しめる料理として注目を集めています。
奥芝商店:八王子に2店舗をオープン
spice&smile:元バドミントン選手が四谷荒木町で開業
スリランカ狂我国の流れを汲む店舗が岡山や香川にも
ブツが届かないから昼食済ませた。
奥芝商店の冷凍スープカレー、殻付きエビ、むきエビ、イカゲソ、ホタテ、アサリ、キャベツが入っていて具沢山。それにオクラを入れてみた。エビのダシがしっかり出ていて、オーチンフクースナ
ご飯がてんこ盛りに見えるな…… お茶碗1膳分なんだけど pic.twitter.com/6QzhIu7SDY— YMK (@the_libra_3) October 29, 2024
「spice&smile」は、バドミントンの実業団で札幌に行った際にスープカレーの魅力に取り付かれ、帰京後に開業したという異色の経歴の持ち主。丁寧な仕事ぶりが評価され、新しい名店として注目を集めています。
12種野菜のスタンダードで1辛スープ大盛り椎茸フライにアイスコーヒー @ spice & smile pic.twitter.com/UfcoXJAcNz
— Bounty (@tweetinTaxi) September 11, 2024
スープカレーの魅力を知り尽くした今だからこそ伝えたい、札幌が誇る至極の一杯【総括】
カレーを薄めただけという認識は大きな誤解
ラーメン文化から学んだ出汁づくりの技術が基礎
札幌市内だけで150店舗以上が独自の味を競う
1970年代の薬膳カレーから進化を遂げた歴史
3人のレジェンドによって確立された独自の食文化
下村泰山による「スープカレー」という名付けの偶然
北海道産野菜の個性を活かした丁寧な下処理
ベーコンエッグや納豆など斬新な具材の登場
70段階の辛さを選べる専門店の存在
11種類の野菜を使用する新世代の店の台頭
札幌から全国へと広がる専門店の輪
レシピは公開されても再現できない職人技の世界
マツコさんも「なぜもっと早く食べなかったのか」と後悔するほどの魅力を持つスープカレー。カレーでありながらカレーではない、この不思議な料理は、まさに札幌が誇るべき食文化のひとつです。
寒い冬の札幌で、体の芯から温まるスープカレーの魅力を、ぜひ皆さんも体験してみてはいかがでしょうか。
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