フードドライヤーで干し芋を作る方法をお探しの方へ。
「天日干しは天気に左右されて大変だし、市販の干し芋は高価なので、自分で作ってみたいけれど、失敗が心配」そんな方のために、プロ級の美味しい干し芋の作り方をご紹介します。
フードドライヤーを使えば、天候を気にせず、いつでも手軽に干し芋作りを楽しむことができます。しかも、温度管理が正確にできるため、プロ顔負けの仕上がりも夢ではありません。
この記事では、フードドライヤーを使った干し芋作りの基本から、失敗しないコツ、おいしく仕上げるためのポイントまで、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
さつまいもの品種選びから下準備まで
電子レンジ加熱NGの理由と正しい加熱方法
乾燥時間による食感の違いと保存方法
アレンジレシピと楽しみ方
特に重要なのは、さつまいもの加熱方法です。電子レンジは使わず、蒸すか炊飯器で加熱することで、βアミラーゼの働きで十分な甘みを引き出すことができます。また、40~50度の低温でじっくり乾燥させることで、外はしっとり、中はもっちりとした理想的な食感に仕上がります。
ぜひ、ご家庭でも美味しい干し芋作りにチャレンジしてみてください。
フードドライヤーで干し芋を作ろう!オーブンより経済的かつ美味しく仕上がる
フードドライヤーとは、食品乾燥機のこと。温風で食品の水分を飛ばし、保存性を高めるための家電です。ドライフルーツや干し野菜作りに役立ちますが、干し芋作りにも最適です。
フードドライヤーを使うメリット
フードドライヤーを使うと、天候に左右されず、衛生的に干し芋を作ることができます。温度管理も正確にできるため、失敗が少なく、効率的に作業が進められます。
天候を気にせず年中作れる
衛生的に作れる
虫や鳥の心配がない
正確な温度管理が可能
従来の天日干しでは、天気や季節に左右されていた干し芋作り。フードドライヤーなら、雨の日も、夏場も、いつでも清潔な環境で作ることができます。
オーブンよりフードドライヤーの方が美味しい干し芋作りに適している理由
巷では、干し芋づくりにオーブンを使用するレシピが多いですが、正直これはおすすめできません。
オーブンは熱の偏りが生じるため均一な乾燥が難しく、そもそも「干し芋」ではなく「焼き芋」になります。また、電気代を気にする場合も、オーブンでは不経済です。
低温乾燥できる:これが干し芋の甘みを凝縮するポイント!
甘みの凝縮: フードドライヤーは35〜70℃の低温で乾燥させることができ、サツマイモの自然な甘みを損なわずに凝縮させることができる
均一な乾燥: フードドライヤーは温風を均一に循環させるため、サツマイモ全体を均等に乾燥させることができる
焦げる心配なし: オーブンと違い、フードドライヤーは低温で乾燥させるため、焦げる心配がない
長時間の乾燥が可能: フードドライヤーは長時間の連続運転が可能で、12〜24時間といった長時間の乾燥も安全に行える
フードドライヤーとオーブンの比較
温度管理: オーブンは最低温度が100℃前後のものが多く、低温で乾燥できない上に、サツマイモを焦がしやすい。フードドライヤーは低温での精密な温度管理が可能
乾燥の均一性: オーブンは熱の偏りがあるため、均一な乾燥が難しい。フードドライヤーは温風が均一に循環するため、ムラなく乾燥できる
省エネ性(電気代の節約): フードドライヤーはオーブンよりも消費電力が少なく、長時間の乾燥でも電気代を抑えられる。
このように、干し芋づくりにはフードドライヤーを使用する方がオーブンよりも美味しく、効率的に仕上げることができると言えます。
これからオーブンを購入しようと考えている方は、この製品のような フードドライヤー機能がついているものを検討してみてはいかがでしょうか。
干し芋の形状:平干し(切り干し)と丸干し
干し芋の形状は大きく分けて「丸干し」と「平干し」の2種類があります。スーパーなどでよく見かけるのは、さつまいもを薄くスライスして乾燥させた平干しです。
この記事では、平干し芋の作り方について解説します。平干しは、短時間で仕上がり、食べやすいのが特徴です。フードドライヤーを使えば、一般家庭でも失敗なく作れます。
丸干しは、マツコの知らない【干し芋】の世界で紹介していますので、興味のある方はそちらをどうぞ。
おいしい干し芋作りのポイント
おいしい干し芋を作るには、さつまいもの品種選びから温度管理まで、いくつかの重要なポイントがあります。基本をしっかり押さえることで、プロ顔負けの干し芋を作ることができます。
干し芋用のさつまいも選び
イチオシは紅はるか
収穫から2週間程度熟成させたもの
傷のない、なめらかな表面のもの
干し芋作りには、甘みの強い品種を選ぶことが重要です。特に「紅はるか」は、糖度が高く、しっとりとした食感に仕上がりやすいため、初心者の方にもおすすめです。
さらに、収穫直後のものよりも、2週間ほど常温で保管し、熟成させたさつまいもを使うと、より甘みが増した干し芋を作ることができます。
「熟成」や「完熟」と表示されているさつまいもを購入するのも、おいしく作るポイントです。
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フードドライヤーの温度設定と時間
乾燥温度は40~50度がベスト
低温でじっくり乾燥させる
厚さによって時間を調整
フードドライヤーの温度設定は、干し芋の仕上がりを大きく左右します。高温で乾燥させると早く仕上がりますが、表面が固くなりすぎてしまいます。
40~50度の低温でじっくり乾燥させることで、外はしっとり、中はもっちりとした食感に仕上がります。また、さつまいもは7~8ミリ程度の厚さに揃えて切ることで、均一な仕上がりになります。
さつまいもの加熱方法による食感の違い
蒸し器での加熱がベスト
炊飯器の玄米モードも◎
壺焼き芋を使うと極上の甘み
加熱方法によって、干し芋の食感は大きく変わります。蒸し器でじっくり蒸すと、芋全体に均一に熱が通り、しっとりとした食感になります。
炊飯器の玄米モードを使うのも良い方法です。低温でゆっくり加熱されるため、甘みがしっかりと引き出されます。特別な仕上がりを求める場合は、
壺焼き芋を使うのがおすすめです。遠赤外線効果で芋の甘みが凝縮され、極上の味わいに仕上がります。
サツマイモの切り方による食感の違いもおいしさに不可欠な要素
干し芋を作る際に、加熱した芋を繊維に沿って切る方が、輪切りにするよりもおすすめです。
食感と品質の向上と繊維の保持
繊維に沿って切ることで、さつまいもの繊維構造が保たれます。これにより、干し芋の食感が滑らかになり、より良い口当たりが得られます。
表面の質感
輪切りにすると、繊維を断ち切ることになり、表面がザラザラした質感になってしまいます。繊維に沿って切ることで、表面が滑らかになり、食べる際の不快感を防ぐことができます。
乾燥効率の向上:水分の蒸発
繊維に沿って切ることで、水分が繊維に沿って効率的に蒸発しやすくなります。これにより、乾燥時間を短縮し、均一な乾燥が可能になります。
形状の安定性
繊維に沿って切ることで、乾燥過程での形状の変化が少なくなります。輪切りの場合、乾燥時に歪みやすく、均一な仕上がりが難しくなる可能性があります。
切り方ひとつで仕上がりと美味しさに差が出ることを少し意識して作ってみるだけで、プロ級の仕上がりになります。
電子レンジ加熱はNG!おいしい干し芋の加熱法
干し芋作りでは、加熱方法の選択が重要です。特に電子レンジでの加熱は避けるべきポイントとなります。ここでは、その理由と適切な加熱方法について詳しく解説します。
なぜ電子レンジ加熱はダメなのか
急激な加熱で酵素が働かない
水分が急速に失われる
甘みが十分に引き出せない
電子レンジは短時間で加熱できる便利な調理器具ですが、干し芋作りには適していません。
さつまいもの甘みを引き出すために必要なβ-アミラーゼという酵素は、ゆっくりとした加熱で活性化します。電子レンジの急激な加熱では、この酵素が十分に働く前に失活してしまい、期待通りの甘みが得られません。
甘みを引き出す蒸し加熱のコツ
70~80度でじっくり加熱
皮付きのまま蒸す
竹串がスッと通るまで
蒸し加熱では、70~80度の温度帯を維持することが重要です。この温度帯で、さつまいものデンプンが糖に変わる反応が最も活発に起こります。
皮付きのまま蒸すことで、芋の旨味や栄養素が逃げにくくなります。竹串がスッと通るまでじっくり蒸すことで、しっとりとした食感と十分な甘みを引き出すことができます。
βアミラーゼの働きと温度管理
60~70度が酵素の最適温度
急激な加熱は酵素を破壊
低温長時間がポイント
βアミラーゼは、さつまいもの甘みを引き出す重要な酵素です。この酵素は60~70度の温度帯で最も活発に働きます。
ゆっくりと時間をかけて加熱することで、デンプンから糖への変換が進み、より甘い干し芋を作ることができます。炊飯器の玄米モードや蒸し器を使うことで、この最適温度を維持しやすくなります。
フードドライヤーで干し芋を作る手順
フードドライヤーを使った干し芋作りは、しっかりと手順を踏むことで失敗なく作ることができます。ここでは、基本の手順から、おいしく仕上げるためのコツまでご紹介します。
炊飯器での蒸し方のコツ
5合炊き炊飯器なら中サイズの芋2~3本
食感(ねっとりかほくほくか)により水の量を加減する
蒸らし時間も大切に
サツマイモの大きさにもよりますが、炊飯器の内釜に無理なく入る量を目安にしてください。
水加減
水の量は、サツマイモの食感を調整するのに重要です。
ねっとりした食感を好む場合:サツマイモの高さの1/2程度まで水を入れる
ほくほくした食感を好む場合:サツマイモの高さの1/4〜1/3程度まで水を入れる
ただし、サツマイモの量や炊飯器の大きさによって適宜調整してください。
調理のポイント
サツマイモはよく洗い、炊飯器には皮付きのまま入れる(長ければ切る)
サツマイモを重ねて入れるのは避ける
玄米モードを使う。ゆっくりと加熱することで、サツマイモの甘みが引き出される
炊飯器にサツマイモを入れたまま長時間放置すると、こびりつく可能性があるので注意。
芋が多すぎると十分な蒸気が行き渡らず、水が多すぎると芋がベチャッとしてしまいます。大きな芋は2~3等分にカットしてから入れることで、中心まで均一に火が通ります。炊き上がったら、そのまま10分ほど蒸らすことで、よりしっとりとした食感になります。
さつまいもを楽々カットして乾燥する手順
7~8ミリ厚さで、繊維に沿って切る
芋同士が重ならないよう配置
トレイの位置で乾燥にムラが出る
柔らかくふかした芋を一枚一枚切るのは意外と厄介だったりしますが、これを使えば楽々です
フードドライヤーでの乾燥は、芋の並べ方がとても重要です。まず、蒸したさつまいもは粗熱を取ってから、7~8ミリ厚さにします。薄すぎると乾燥後にパリパリになってしまい、厚すぎると乾燥ムラができやすくなります。
トレイに並べる際は、芋同士が重ならないよう、間隔を空けて配置します。下段のトレイの方が温度が高くなる傾向があるため、途中でトレイの上下を入れ替えると、均一な仕上がりになります。
干し芋の仕上がり確認方法
表面がしっとり艶やか
軽く押すと弾力がある
甘い香りが立ち始める
干し芋の仕上がりは、見た目や触感で判断できます。完成に近づくと、表面がしっとりとして、やや透明感のある艶が出てきます。指で軽く押してみて、適度な弾力があれば良い具合です。
また、甘い香りが立ち始めるのも、水分が程よく抜けた証拠です。乾燥が足りないと後で水分が出てきてしまい、逆に乾燥しすぎると固くなりすぎてしまうので、この見極めが大切です。
おすすめの乾燥時間と食感
フードドライヤーでの乾燥時間によって、干し芋の食感は大きく変わります。お好みの食感に仕上げるためのポイントと、それぞれの特徴をご紹介します。
半生タイプの作り方
40度で6時間が目安
もっちりした食感
冷蔵保存で3日以内に
半生タイプは、しっとりともっちりした食感が特徴です。40度の低温で6時間ほど乾燥させることで、芋本来の食感を残しながら、程よい水分量に仕上がります。
ただし、水分が多めに残るため、保存期間は冷蔵庫で3日程度と短めです。できるだけ早めに食べきるのがおすすめです。お子さんや、歯の弱い方にも食べやすい食感です。
しっかり乾燥タイプの作り方
50度で12時間が目安
適度な歯ごたえ
冷蔵保存で1週間程度
しっかり乾燥タイプは、日持ちがよく、干し芋本来の食感を楽しめます。50度で12時間ほど乾燥させることで、適度な歯ごたえと甘みの凝縮感が生まれます。
表面はしっとりとしながらも、噛むと中からじわっと甘みが広がる、絶妙な食感に仕上がります。冷蔵保存で1週間程度は美味しく食べられるため、計画的に作り置きができます。
フルドライタイプの作り方
50度で18時間以上
カリカリした食感
冷蔵保存で2週間程度
フルドライタイプは、水分をしっかり抜いた保存性の高い仕上がりです。50度で18時間以上かけてじっくり乾燥させることで、カリカリとした食感になります。
甘みが凝縮されているため、少量でも満足感があります。冷蔵保存で2週間程度持つため、長期保存用としておすすめです。
食べる直前にトースターで軽く温めると、表面がソフトになって食べやすくなります。
干し芋の保存方法と楽しみ方
せっかく作った干し芋を、より長く美味しく楽しむためのポイントをご紹介します。保存方法や食べ方のアレンジで、干し芋の魅力を最大限に引き出しましょう。
低温乾燥の保存期間
乾燥具合で保存期間が変化
冷凍保存なら1ヶ月可能
密閉容器に入れて保管
低温乾燥で作った干し芋は、乾燥具合によって保存期間が異なります。半生タイプは水分が多いため、冷蔵庫でも3日程度しか持ちません。長期保存したい場合は、1切れずつラップで包んで冷凍保存がおすすめです。
冷凍なら1ヶ月程度保存できます。保存する際は、必ず清潔な密閉容器に入れ、高温多湿を避けることが大切です。
おいしい食べ方アレンジ
トースターで軽く温める
バターをのせて塩をふる
チョコレートでコーティング
干し芋は、そのままでも十分美味しいですが、ちょっとしたアレンジで違った美味しさを楽しむことができます。
トースターで軽く温めると、表面がカリッとして中はもっちり。そこに少量のバターをのせ、ひとつまみの塩をふりかけると、甘じょっぱい絶品おやつに変身します。また、溶かしたチョコレートでコーティングすれば、スイーツ感覚で楽しめます。
壺焼き芋で作る干し芋
遠赤外線効果で極上の甘み
しっとりとした食感が特徴
香ばしい風味がプラス
壺焼き芋から作る干し芋は、特別な美味しさが楽しめます。遠赤外線効果でじっくり焼き上げることで、芋の糖化が進み、濃厚な甘みが生まれます。
さらに、焼き芋特有の香ばしい風味も加わり、通常の干し芋とは一味違った味わいを楽しむことができます。手間はかかりますが、贈り物用や特別なおやつとしておすすめです。
フードドライヤーで作る干し芋は低温乾燥がベスト!甘みと食感を引き出す極意【総括】
紅はるか、シルクスイートなど、糖度の高い品種を選ぶのがポイント
電子レンジ加熱は避け、蒸しや炊飯器での加熱がベスト
7~8ミリの均一な厚さにカット
40~50度の低温でじっくり乾燥
乾燥時間で食感が変わる(6時間で半生、12時間で標準、18時間以上でカリカリ)
トレイの位置で乾燥にムラが出るため、途中で入れ替えが必要
仕上がりは艶と弾力、香りで判断
乾燥具合に応じて保存方法を選択
冷凍保存なら1ヶ月程度の保存が可能
トースターで温めたり、バターや塩を加えたりとアレンジ可能
壺焼き芋から作ると、さらに濃厚な味わいに
フードドライヤーがあれば、ご家庭でも手軽に干し芋作りを楽しむことができます。天候を気にせず、衛生的に、しかも温度管理も正確にできるため、プロ級の仕上がりも夢ではありません。ぜひ、この記事を参考に、ご家庭でも美味しい干し芋作りにチャレンジしてみてください。