クジャクのダンス誰が見た4巻…話が進めば進むほど、謎が深まる展開になっています。
「重要な証言者である染田の死は事故なの?他殺なの?」
「なぜ父は松風弁護士を指定したの?その理由が気になる」
「赤沢夫妻の不可解な行動は何を意味しているの?」
4巻では、これらの謎に関する重要な展開が描かれています。特に染田の過去と松風弁護士の父親に関する新事実が明かされ、事件の背景には警察組織の深い闇が潜んでいることが示唆されます。
染田の死に至る経緯と不自然な自白の真相
松風弁護士が選ばれた意外な理由
赤沢夫妻の不可解な行動と「お守り」の謎
警察組織内部の不正を巡る新たな展開
特に染田の最期に残した「約束が違う」という言葉と、赤沢夫人から心麦への不自然な接近は、事件の核心に関わる重要な伏線となっているようです。真相に近づくほど深まっていく謎の数々を、順を追って紹介していきます。
作品の基本情報
『クジャクのダンス、誰が見た?』は、浅見理都が手掛ける本格クライムサスペンス漫画です。講談社の女性漫画誌『Kiss』で2022年から連載がスタートし、現在5巻まで刊行されています。
国際法律事務所による法律監修と警察監修を受けており、リアリティのある展開が特徴となっています。6巻は2024年11月13日発売予定となっています。
これまでのあらすじ
雪の降るクリスマスイブの夜、主人公の山下心麦は、父親の春生が自宅で殺害され放火される悲劇に見舞われます。容疑者として逮捕されたのは、父が20年前に担当した東賀山事件の死刑囚・遠藤力郎の息子である遠藤友哉でした。
しかし事件から数日後、父が生前用意していた手紙には、もし遠藤友哉が逮捕されたら、それは冤罪だと記されていました。手紙には弁護を依頼すべき弁護士として松風義輝の名前も指定されており、心麦は真相を追うことを決意します。
4巻の登場人物
事件の真相に迫る中で、新たな人物の過去や、意外な人物関係が明らかになっていきます。特に染田の過去と、松風弁護士の背景に重要な展開がありました。
重要人物たち
染田進:ラーメン屋台の店主で春生からの重要な手紙を預かっていた人物
赤沢正:警視庁捜査一課係長として事件を担当する春生の元同僚
三木田辰雄:東賀山事件で遠藤力郎の弁護を担当した元弁護士
染田は、かつて堅実な畳屋を営んでいました。父から継いだ店を守るため真面目に働いていましたが、バブル崩壊の影響で銀行からの融資を受け、最終的に破産してしまいます。その後、妻子に去られ、自暴自棄になった末に薬物に手を出し、偽造事件で逮捕されます。その取り調べを担当したのが春生でした。
春生の「もっと希望を持って生きてほしい」という言葉に心を打たれた染田は、出所後にラーメン屋台を始め、まじめに更生していました。春生は家族を連れて常連として通い、深い信頼関係を築いていきます。しかし、その関係が染田を事件に巻き込むきっかけとなってしまいます。
新たに明かされる人物の過去
松風義輝:父親が元警察官で、不正を追及しようとして失踪した過去が判明
波佐見弁護士:松風の幼なじみで、事務所の共同経営者
赤沢夫人:心麦に過度な親密さを見せる不可解な人物
松風義輝の父・久世正勝は、警察内部の不正を追及しようとして失踪した人物でした。その背景には赤沢との因縁があり、この過去の出来事が現在の事件と複雑に絡み合っています。父の失踪後、松風は法曹界を目指すことを決意し、幼なじみの波佐見と共に弁護士となりました。
波佐見弁護士は松風の良き理解者として、時に厳しく、時に優しく彼を支えています。心麦のバイトを受け入れる際も、松風の気持ちを理解した上での判断でした。
赤沢夫人は表向きは心麦を気遣う優しい人物として振る舞いますが、その行動にはなんとなく違和感が漂います。特に心麦の幼少期の話を詳しく知っているなど、通常の付き合いでは考えられない親密さを見せています。
4巻のネタバレあらすじ
4巻では、染田の急死という衝撃的な展開から始まり、松風弁護士が選ばれた理由が明らかになっていく重要な章となっています。特に「走馬灯」と題された染田の過去を描く章では、春生との出会いから現在に至るまでの経緯が丁寧に描かれています。
染田の最期
染田は突如として警察に任意同行を求められ、取調室で春生からの手紙を偽装したと告白します。しかし、その自白には不自然な点が多く見られました。
取調室に入る直前、遠藤友哉と目が合う
突然の自白に取調官も驚きを見せる
誰かと電話で「約束が違う」と話す様子
染田が突然態度を変えた背景には、誰かからの圧力があったことが示唆されています。取調室に入る直前に遠藤友哉と目が合い、その直後に態度が一変したという タイミングは極めて不自然でした。
また、金回りが良くなっていたり、誰かと電話で「言われた通りにやったのに話が違う」と焦りの表情を見せる場面からも、何らかの取引があったことが窺えます。
その後、心麦との最後の会話で染田は罪悪感から涙ながらに謝罪。「金欲しさに山下さんを裏切ってしまった」と打ち明け、松風弁護士に相談することを決意します。しかし、心麦が松風を呼びに行っている間に姿を消してしまいます。
数時間後、染田は河川敷で倒れているところを発見され、病院に搬送されますが、死亡が確認されます。赤沢は心麦に対して自殺の可能性を示唆しますが、心麦は「手紙を偽装したと嘘をついたと私に泣いて謝った」と述べ、強く否定します。
松風弁護士の選定理由
長年の謎だった「なぜ春生は面識のない松風を指定したのか」という疑問が、この巻で明らかになります。
三木田による推薦があった事実
刑事事件の勉強会での出会い
「人として真っ当」という評価
三木田は過去に刑事事件の勉強会で松風と出会い、その人柄に深い信頼を寄せていました。「人として真っ当だ」と感じた三木田は、「彼なら真摯に向き合ってくれる」と考え、春生に松風を推薦したのです。
しかし、この「真っ当」という評価に対して、松風自身は「俺は全然真っ当じゃない」と過剰な反応を示します。この反応は、松風の父親の失踪事件と何らかの関連があることを示唆しています。
三木田からは東賀山事件の被害者である林川一家の事業や周辺の人間関係についても新たな情報が明かされ、過去の事件との関連性を示す新たな糸口となっています。
深まる事件の闇
この巻では、事件の背後にある大きな闇を示唆する展開が相次ぎます。特に赤沢夫妻の不可解な行動が目立ちます。
赤沢夫人から心麦への不自然な接近
お守りの贈呈という新たな伏線
松風弁護士への不信感を煽る動き
赤沢夫人は心麦に対して母親のような親しさで接し、お守りを贈ります。しかし、この行動には何か別の意図が感じられます。特にお守りの贈呈のタイミングと、その後の赤沢の言動には不自然さが漂います。
4巻の感想と考察
4巻では謎が更に深まり、登場人物たちの複雑な関係性が浮き彫りになっています。特に染田の死という衝撃的な展開は、事件の深刻さを強く印象付けています。
謎が深まる人物たち
染田の死は、事件の闇の深さを象徴する重要な転換点となっています。
自白から死亡までの不自然な流れ
最期の言葉「約束が違う」の意味
証言者の口封じの可能性
染田は更生し、まじめに生きていた矢先に事件に巻き込まれました。しかし、春生が殺される数ヶ月前に、突然現れた謎の人物から「春生から聞いた話を報告してほしい」と依頼され、1,000万円と薬物を渡されていたことが明らかになります。この取引が、結果として染田を死へと追い込むきっかけとなったのです。
特に注目すべきは、染田の最期の様子です。警察での取り調べ後に態度が急変し、誰かと電話で険悪なやり取りをする場面が描かれます。「約束が違う」という最期の言葉には、事件の核心に関わる重要な意味が込められているように思われます。
浮かび上がる新たな疑惑
赤沢夫妻の行動には、多くの不可解な点が見られます。
心麦への異常な親密さの理由
お守りに込められた意図の謎
松風弁護士を遠ざけようとする真意
特に赤沢夫人から贈られたお守りについては、多くの読者が不安を感じる展開だったと思います。このお守りには、心麦の行動を監視するための何らかの装置が仕込まれている可能性も考えられるのでは!?そんな気もしますが…
また赤沢は心麦に対して「松風弁護士に騙される前に距離を置くように」と警告します。表面上は心麦を心配しているように見えるこの発言にも、別の意図が隠されているように思われます。心麦と松風の関係を引き裂こうとするこの動きには、事件の核心に関わる重要な意味があるのかもしれません。
読者を引き込む展開手法
4巻では、巧みな伏線の配置と丁寧な人物描写が光ります。
染田の半生を描く走馬灯の手法
松風の父親の失踪という新たな謎
警察組織の内部問題の示唆
特に染田の過去を描く「走馬灯」という章では、彼が春生と出会うまでの人生が丁寧に描かれています。真面目な畳屋だった時代から、バブル崩壊による破産、家族との別れ、そして薬物への依存など、一人の人間の転落人生が生々しく描かれています。それでも春生との出会いをきっかけに更生し、ラーメン屋台で必死に生きようとした染田の姿は、読者の心に深く刻まれます。
また松風の父親が警察内部の不正を追及しようとして失踪したという事実は、現在の事件に新たな視点を投げかけています。父の失踪には赤沢が関わっていたことが示唆され、警察組織内部の闇が浮かび上がってきます。
この展開により、事件の背景には単なる個人の犯罪を超えた、より大きな問題が潜んでいる可能性が見えてきます。
真相に近づくほど深まっていく謎の数々。特に染田という重要な証言者を失ったことで、事件はより複雑な様相を見せ始めました。しかし、松風弁護士と心麦の強い意志は、必ずや真実にたどり着くはずです。
話が進むたびに、怪しさ増し増し。これからも彼らの真相究明の軌跡から目が離せません。