「高血圧対策は減塩だけで十分?」
「風邪予防にビタミンCは効果的?」
「地震が起きたらまず机の下に隠れるべき?」
こんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
実は、これらの常識はすでに古くなっています。テレビ「林修の今知りたいでしょ」で2024年10月10日に放送された「昭和の常識 今はもう古い!?血圧 かぜ 防災 令和の新常識20」によると、令和の新常識は驚くべきものばかりです。
この記事では、9人の医師・専門家が教える最新の健康・防災知識を詳しく紹介していきます。令和の新常識を知ることで、より効果的な健康管理や防災対策が可能になります。昭和の常識にとらわれず、最新の科学的知見に基づいた生活習慣を身につけましょう。
高血圧対策の令和の新常識
マッサージすると血圧が下がる→マッサージしてあげる側の血圧も下がる
マッサージをすると血圧が下がるが、人にマッサージをしてあげる側も血圧が下がると考えられる。
また、マッサージ=スキンシップなので、マッサージをしてあげることで脳内でも幸せホルモン・オキシトシンが分泌され血圧が下がる(揉まずにさするだけでも、オキシトシンが出る)
高血圧対策には減塩が効く→令和の新常識は「減塩+減糖」
「高血圧には減塩が効果的」が昭和の常識だったが、高血圧対策の令和の新常識は減塩&減糖。
糖分をとるとインスリンが発生しナトリウムの排出を阻止するため 塩分が体に溜まってしまい、高血圧になる可能性がある。
1日3回の歯みがきが高血圧リスクを下げる
以外にも、高血圧に関係している「歯周病」 実際に心筋梗塞を起こした人の血管から歯周病菌が見つかるという。
しっかり歯磨きをしている人でも磨き残しは少なくない。
足ゆすり(貧乏ゆすり)が血圧を下げ 死亡リスクも減る
貧乏ゆすりのイメージはあまり良くないが、高血圧対策の新常識→足をゆすると血圧が下がり、死亡リスクが減る。
1日8時間以上座り運動不足だと、死亡リスクが高くなる。イギリスの研究では足ゆすりをする人としない人では、ゆする人に約30%死亡リスクが減ったという結果が出ている。
脚の筋肉は血管をもむ力があり、静脈の流れが心臓に向かうようになる。
足をゆするにしても筋肉をもむ時間が必要なので、細かい貧乏ゆすりは効果が低い。良いやり方は大きくゆっくり動かすこと(これなら貧乏ゆすり感が少ないかも)
30分以内の昼寝をすると血圧が下がる
スペインなどで行われた調査では、昼寝を1日15~20分する人は全くしない人に比べて血圧が低めであることが判明。
これは、睡眠ととると副交感神経が優位になり、血圧が下がるため。ただし、30分以上昼寝をする人は、昼寝をしない人より血圧が高いことがわかっている。
ため息をすると血圧が下がる
ため息は、息を吸うことで肺が膨らみ、副交感神経が働くため、血圧が下がる。血圧を下げることでリラックス効果が生まれるのは、無意識に自分を落ち着かせようとしている…との説がある。
かぜとインフルエンザ予防&対策の令和の新常識
かぜの予防にはビタミンD…ビタミンCではない!
論文におけるビタミンCのかぜ予防効果は、近年 明確に否定されている。そしてかぜ予防にはビタミンDが有効であることがわかっている。
かぜ予防にはビタミンD
ビタミンDはウイルスなどを捕食する免疫細胞マクロファージを活性化させることがわかった。免疫細胞の約70%が腸に集中しておりビタミンDが腸内環境を整えかぜ予防に効果的。
かぜを引いた後にはビタミンC
ビタミンCは白血球の働きを助け、ウイルスと戦う免疫力アップが期待できるため、かぜ予防ではなくひいた時にとるのが効果的。
ビタミンCは水溶性ビタミンなので、たくさん摂っても体内に蓄積されないが、かぜをひいたときに積極的に摂るのは効果がある。
かぜをひいた時にオススメのものは甘酒。「飲む点滴」と呼ばれる甘酒はオリゴ糖やブドウ糖の宝庫で、善玉菌のエサにもなり、腸内環境を整えるのにも有効。
番組では、甘酒とトマトジュースを混ぜるのがオススメと紹介。トマトのリコピンに抗酸化作用があることや、甘さと酸味のバランスがとれるとのこと。
かぜのひき始めはお風呂に入っても良い(熱がない場合)
かぜのひき始めで熱がない時はお風呂に入っても良い。37℃以上になるとかぜウイルスが死滅するため。体温を上げるのをお風呂に頼れば、自分の体力を使わずに体温を上げられる。
かぜの時にお風呂に入らないほうが良いと言われていた背景には昔の日本家屋の問題がある。隙間風が入るなどによるヒートショックが関係している。寒暖差で体力を消耗する可能性が高かったため。
お風呂に入ればウイルスを洗い流す効果もあるため、入った方が良い。
かぜのひき始めは 軽い運動で免疫力を上げるのがよい
軽い運動はウォーキングなど。まだかぜをひいていないが、もらいそうなときにも軽い運動で免疫力を上げるのが予防に効果的。
免疫力は大人になっても上がるが、免疫の種類は大人になるとほとんど増えないとのこと(ほとんどの免疫は子どものときに獲得しているものだから)体を動かすと体温が上がるため、多少のウイルスは倒すことができる。
ただし、体力に自信がない人は、入浴やしょうが湯を飲むなどで免疫力を上げる方法を選んだ方がいい。
熱が出たら首・脇・鼠径部を冷やす!おでこを冷やしても効果なし
熱が出た時に、おでこを冷やしても熱は下がらない。昭和にひょうのうや氷枕でおでこを冷やしたのは副交感神経を優位にして体温を下げようとしたものと考えられるが、熱をさげる目的には効果なし。
よく使われている冷感ジェルシートをおでこに貼るのは、リラックス効果が期待できるが(副交感神経を優位にする)熱を下げるには3点クーリングにすることが必要。
かぜをひいたら無理に食べなくて良い
令和の新常識は、かぜをひいたら無理に食べなくて良い!
体調が悪い時は腸の動きも悪いため、栄養の吸収も良くない。そんなときに無理をして食べるとおなかを壊したり胃もたれが起こることも。
ただし、食後服用の風邪薬は空腹だと胃の粘膜を荒らすこともあるため、胃腸に優しいものを食べた方が良い。
おかゆやマルチビタミンのゼリー飲料がおすすめ。ゼリー飲料はマルチビタミン系がよいが、血糖値が上下すると自律神経が乱れるため、糖分の少ないものを選ぶこと。
熱が下がっても 風邪のウィルスは死んでいない
汗をかいて熱が下がると「一旦」良くなったような気がするが、これは勘違い。
汗で熱が下がってもかぜのウイルスは死んでいない。熱が下がってもせきや鼻水、喉の痛みがある場合は、体の中にまだウイルスが残っている状態。
かぜを治すためにはこまめな水分補給と自然に汗をかくことが大切。
無理に汗をかこうとするのは良くない。汗をかくと体内の水分量が不足して血流が悪くなるので、末端まで白血球が届きづらくなることもある。だから、かぜをひいたときの水分補給は多い方がいい。
うがいはインフルエンザ予防に効果なし
インフルエンザウィルスは比較的短時間で気道に入る。そんなに頻繁にうがいできないことを考えると、インフルエンザ予防には効果が少ないと言える。
うがいは周囲にウィルスが飛散するので、感染が拡大する可能性(乾燥した後にウィルスが舞い上がる)があるので要注意(家庭でやるのは良いが、外ではやらない方がいい)
現在、厚生労働省のHPでも「手洗い」のみが推奨されており、いつの間にか「うがい」の文字は削除されたとのこと。
肥満対策・脂肪燃焼の令和の新常識
脂肪燃焼のための有酸素運動を連続20分以上はもはや古い
脂肪を燃やすための有酸素運動は連続20分以上でなくてもいい。連続ではなく細切れの運動でもOK
肥満対策には階段を上るより下りる
肥満対策には階段を上るより下りる方がより良い。
階段を上る時は太ももの筋肉が縮みながら負荷がかかるが、階段を下りる時は太ももの筋肉は伸ばされながら負荷がかかる。この時の負荷の大きさは約1.5倍。
たんぱく質摂取は運動後30分以内でなくていい
たんぱく質は運動後30分以内にこだわる必要はない。筋肉が回復している間にたんぱく質をとれば、それほど効果は変わらない。運動後30分以内は消化吸収によくないため、落ち着いてきた1時間くらい後でとる方が良い。
防災の令和の新常識
地震が起きたら玄関へ逃げるべし
昭和の当たり前は、地震が起きたら最初に机の下に隠れる…これはもう古い。令和の新常識は、地震が起きたら最初に玄関へ逃げる。
テーブルの下は頭は守れるが逃げ道が塞がってしまうことがある。玄関は倒れてくる物が少なくすぐ外に避難できることや、閉じ込められるのを防ぐため。靴などで扉を少し開けておくのが良い。
すぐに外に出てはいけない理由は転倒、落下するものが多いため。
地震が起きたらキッチンに行かない
昭和時代の当たり前は地震が起きたら最初に火を消す…だったが、令和の新常識は地震が起きたらむやみにキッチンに行かない。キッチンは頭より高い所に落下物が多く危険なため。
現在は震度5以上の揺れでガスが自動で止まる装置が作動するため、最優先は身の安全を守ること。
平成9年に家庭での設置が義務化されたマイコンメーターは、ガス漏れの検知や震度5相当以上を感知すると自動でガスの供給を遮断する。
東日本大震災では出火原因の半分以上が電気だったが、
火事の時は目も守る
火事の時はハンカチを口に当て身を低くして逃げるという昭和の当たり前は、これだけだともう古い。最も大切なのは視界の確保。
火災時に頭にかぶって逃げる用のビニール袋が販売されているので 防災グッズのひとつとして、バッグに入れておくと安心です。
これをかぶって逃げれば煙を吸わず、クリアな視界も確保できます。2~3分程度なら、かぶった状態でもなんとかしのげるということなので、この間にとにかく急いで避難することです。
今年は特に多かった「雷」の新常識
今年は特に雷が多い年で、7月から8月にかけて関東地方に落ちた雷の数は約106,000回。
昭和の当たり前は、雷が光って音がするまで時間がある場合は安心…というものだが、令和の新常識は「音が鳴るまで時間があっても関係ない」落雷の危険。