1955年の端島（軍艦島）と現代の東京を舞台に描かれる『海に眠るダイヤモンド』第2話が2024年11月3日に放送されました。今回の物語は「水」というモチーフを中心に展開され、それぞれの時代における人々の暮らしと恋模様が丁寧に描かれています。
現代パートでは、ホストの玲央（神木隆之介）といづみ（宮本信子）という、年齢も立場も異なる二人の関係性に焦点が当てられます。
玲央が担当する客・サヤ（代金踏み倒し）の問題を通じて、現代社会における人と人との繋がりの希薄さや、若者たちの将来への不安が浮き彫りになっていきます。そして、いづみが持つ「No.1 TEPPEI ARAKI」と記されたノートの存在は、過去と現代を結ぶ重要な鍵となることが示唆されています。
一方、1955年の端島では、限られた空間での密な人間関係が独特のコミュニティを形成していました。石炭産業の活況に沸く島で、若者たちの複雑な恋模様が「見つめる」という行為を通じて表現されます。
鉄平（神木隆之介）がリナ（池田エライザ）を、朝子（杉咲花）が鉄平を、そしてリナもまた誰かを見つめる…。それぞれの視線には、想いの強さと同時に、何かを隠しているような複雑さが滲んでいます。
日曜劇場『#海に眠るダイヤモンド 』
今夜9時から第2話放送！
大型台風でずぶ濡れな鉄平。
と、
対照的に涼しげな顔の玲央さん。※野球中継延長により開始が遅れる可能性があります pic.twitter.com/OpRLoD49Id
— 神木隆之介 (@kamiki_official) November 3, 2024
今回のエピソードの特徴は、「水」というモチーフの効果的な使用です。現代では蛇口をひねれば当たり前のように流れる水道水が、1955年の端島では極めて貴重な資源として描かれ、その対比が印象的です。
決められた時間に回数券を持って水を汲みに行く住民たちの姿からは、当時の生活の厳しさが伝わってきます。
さらに、迫り来る台風という脅威は、海に囲まれた島の生活の不安定さを象徴的に表現しています。 また、アメリカ発祥のスクエアダンスという新しい文化の導入は、戦後日本の文化的な変容を象徴する要素として機能しています。
百合子（土屋太鳳）がもたらしたこの踊りは、若者たちの心を解放する役割を果たすと同時に、新旧の価値観の衝突も暗示しています。特に「浦上の上だってピカは落ちたんだよ！」という百合子のセリフからは、原爆投下からわずか10年という時代背景も垣間見えます。
本作の特徴である二つの時代の交差は、視聴者の感情を深く揺さぶります。特に、水道の水漏れを気にするいづみの何気ない一言が、過去の出来事とリンクすることで重みを増していきます。
戦後復興期から高度経済成長期へと向かう日本の転換点を生きる人々の姿は、現代を生きる私たちに多くの示唆を与えるようです。
『海に眠るダイヤモンド』主要キャスト
via：海に眠るダイヤモンド 公式サイト
日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」相関図 神木隆之介が70年の時を超え二役を演じ分ける https://t.co/FzATD1wkjb
— 細川 久美子 (@kuma03071) October 22, 2024
荒木鉄平（神木隆之介） 端島生まれの明るい青年。県外の大学卒業後、勤労課外勤として帰島。純粋で真っすぐな性格だが、他者の気持ちに気づきにくい一面も。
玲央（神木隆之介） 現代のホスト。過去に何らかの事情で島を離れたいづみと出会い、自分と鉄平との関係に興味を持ち始める。
いづみ（宮本信子） 玲央の前に現れた謎めいた老婦人。鉄平との思い出を語り始める。手元には「No.1 TEPPEI ARAKI」と書かれたノートを持っている。
リナ（池田エライザ） 端島に暮らす謎めいた歌手。進駐軍のクラブで歌っていた過去を持つ。鉄平に好意を寄せられるが、複雑な思いを抱えている。
朝子（杉咲花） 島の食堂の看板娘。幼なじみの鉄平に想いを寄せているが、素直に気持ちを伝えられずにいる。
百合子（土屋太鳳） 鷹羽鉱業職員の娘。アメリカ生まれのスクエアダンスを島に持ち込む。華やかな性格の持ち主。
賢将（清水尋也） 鷹羽鉱業幹部職員の息子。朝子の気持ちに気付いている。
進平（斎藤工） 2年前に妻・栄子を海の事故で亡くしたばかり。遺体が見つからず、妻の死を受け入れられないでいる。
一平（國村隼） 鉄平の父。炭鉱夫として働く。息子を誇りに思う一方で、心配もしている。
【現代パートのキャスト】
ミカエル（内藤秀一郎） 玲央の先輩ホスト。厳しい性格の持ち主。
アイリ（古川琴音） ホストクラブの常連客。ミカエルの担当客。
『海に眠るダイヤモンド』第2話のあらすじ・ネタバレ・考察
❁ 日曜劇場 #海に眠るダイヤモンド ❁
ご覧いただきありがとうございました！
【 第話 スクエアダンス 】
鉄平
「 百合子は、百合子が思ってるよりもずっと、
みんな大切に思ってるよ。神様も。」
──⌛︎#神木隆之介 #土屋太鳳… pic.twitter.com/juWIxYRFg9— 10月期日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』【公式】 (@umininemuru_tbs) November 3, 2024
水道の整備されていない端島では、人々が生活用水を確保するために苦心する日々が続いています。そんな中、島には新たな試みとして海底水道計画が持ち上がり、賢将（清水尋也）がその検討会に参加することになります。この計画は、島の将来を左右する重要なプロジェクトとして位置づけられています。
あらすじ・ネタバレ
2018年の東京では、ホストの玲央（神木隆之介）が、先輩のミカエル（内藤秀一郎）から常連客・アイリ（古川琴音）の説得を命じられます。借金に追われる玲央の前に現れたいづみ（宮本信子）は、過去の端島での出来事、特に鉄平（神木隆之介）との思い出を語り始めます。
1955年9月の端島では、リナ（池田エライザ）に好意を寄せる鉄平の姿を、朝子（杉咲花）が複雑な思いで見つめています。朝子の気持ちに気付いているリナも、自分に向けられた鉄平の好意をかわしながら、何かを抱え込んでいるような様子です。
賢将（清水尋也）に連れられて長崎を訪れた百合子（土屋太鳳）は、そこでスクエアダンスと出会います。端島にこの新しい文化を持ち帰った彼女は、早速同好会を立ち上げようと、鉄平、朝子、賢将、リナを誘って練習を始めます。
しかし、そんな明るい空気とは裏腹に、端島には大型の台風9号が接近。水の運搬船が来なくなることで、島の生活に深刻な影響が出始めます。限られた水を大切に使おうとする住民たちの姿からは、当時の生活の厳しさが浮かび上がってきます。
感想
「水」をめぐる人々の姿が印象的
若者たちの恋愛模様が繊細に描かれる
現代と過去の対比が効果的
現代では当たり前の水道水が、端島では貴重な資源として扱われる対比が印象的でした。水を通じて描かれる人々の暮らしぶりからは、戦後復興期の生活の実態が生々しく伝わってきます。
また、恋愛模様の描写も秀逸です。特に、鉄平を見つめる朝子の切ない視線や、リナの複雑な表情など、言葉以上に多くのことを語る演出が効果的でした。
神木隆之介の一人二役も見事で、鉄平と玲央という正反対の性格を見事に演じ分けています。 スクエアダンスという文化的要素の導入も興味深い点です。戦後の日本社会が、アメリカの影響を受けながら変容していく様子が、若者たちの姿を通して象徴的に描かれています。
疑問
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第話 予告
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/(日) : 放送#神木隆之介 #斎藤工 #杉咲花 #池田エライザ #清水尋也 #中嶋朋子 #さだまさし / #國村隼#土屋太鳳 #沢村一樹 #宮本信子#野木亜紀子 #KingGnu— 10月期日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』【公式】 (@umininemuru_tbs) October 29, 2024
いづみの正体は誰なのか
リナが抱える秘密とは何か
玲央と鉄平にはどんな関係があるのか
これらの謎は、物語の核心部分として重要な意味を持っています。特に、いづみが持っていた「No.1 TEPPEI ARAKI」と書かれたノートの存在は、大きな伏線となっていることが予想されます。このノートには単なる思い出以上の、重要な情報が記されているのではないでしょうか。
考察
現代パートと過去パートを結ぶ重要な要素として、いづみの存在が際立ってきます。
第1話で1965年にリナに抱えられて舟で島を出た赤ちゃんは、2018年時点では53歳になっているはず。これは20代の玲央の親の年代と一致します。
玲央といづみの出会いも偶然とは思えません。いづみは意図的に玲央に近づき、端島での物語を語ろうとしているように見えます。その背景には、誰にも言えない重要な秘密が隠されているのかもしれません。
また、リナの複雑な表情の裏には、進駐軍のクラブで働いていた過去が影を落としているようです。戦後の混乱期を生きた女性として、彼女はどんな経験をしてきたのでしょうか。
賢将と朝子の関係性も気になる部分です。朝子の鉄平への想いに気付いている賢将は、彼女の気持ちを理解しながらも、どこか複雑な表情を見せています。
このツイート もしかしたら確信を突いているのかも…なんて思えてきますが！？現段階では、朝子がいづみなのでは？と個人的には思ってますけど…！？
けんしょうくんもキーパーソン？
いづみさんの現代の財力はけんしょうの力ある…？海に眠るダイヤモンド pic.twitter.com/Y9Gosv49XE
— なつん❤️ (@starlight__baek) November 3, 2024
余談
「海に眠るダイヤモンド」観たけど、あれどうやって撮影してるんだろう。めっちゃリアルでタイムスリップできた感じ。ひとり旅で行った軍艦島。いつか上陸できなくなる前にまた行きたいな。 pic.twitter.com/z2hQxgzE1R
— まこ (@Maco_imjoy) October 28, 2024
端島の生活を描く上で、細部への配慮が行き届いているのも本作の特徴です。水汲みの際に使用される回数券や、限られた生活空間での住民たちの暮らしぶりなど、当時の生活感が丁寧に表現されています。
また、百合子が発した「浦上の上だってピカは落ちたんだよ！」という言葉は、長崎の歴史を想起させる重要なセリフとなっています。戦後10年という時代設定の中で、原爆の記憶がまだ生々しく残っている社会の空気感が伝わってきます。
